骨が、ビキッといいまして。
つづれ しういち
第1話 膝が、ビキッといいまして。
はい、はじめましての方もそうでない方もこんにちは。
このエッセイは、まあタイトル通りでございまして。
先日、いきなり骨折して入院した顛末をちょろりらと書かせて頂く所存です。
一応なんだかんだ5年と4ヶ月ぐらい毎日更新を続けて来まして、今後も少しだけ予約はしてあるものの、1週間も入院すると間違いなく途切れてしまう。
……ということで、スマホで無理やりエッセイを更新することにしましたすみません。
かく言う今も、実はまだ入院中。これを書いている時点で入院3日目の状態です。
病室でスマホにて執筆しておりますので、字下げのない形になっておりますがお許しを。なんか全角のスペースが入れづらいんですよねースマホ。
(と言ってたら、「こうすると字下げできるよ」と教えてくださった方が! 早速させて頂きました。ありがとうございます! いっこ賢くなったよ……)
さてさて。
わたくし、学校の図書館に勤める学校司書をしておりまして(そちらのことは拙作エッセイ「つれづれ司書ばなし」に詳しいです)。
出勤のときは、いつもバスを利用しております。
降りる停留所はその路線の終点にあたるので、その日も停車後ほかのお客さんがゾロゾロ降り始めてからのんびり降りようと思っていました。
なぜならその日は荷物が特に重かったからです。
前の週末に借りていたとある本にめちゃくちゃハマって、自分の勤める図書館から5、6冊も借りてきておりました。
いつもダンナがお弁当を作ってくれて、水筒も持っていましたし、それはそれは重たいカバンになってしまっておりました。
多分、それらがみんないけなかった。
立ち上がる時の姿勢もきっと良くなかった。
自分の後ろにいた高校生らしい男の子と女の子だけを残して、「さあ立ち上がろう」とした時です。
「ビシッ」
激しい音がしました。
と同時に、右膝に激痛が走りました。
「あいっ……たたた! 痛いいー!」
そのままとても立っていられず、座席の間の通路に倒れ込む形になりました。
後ろの男の子と女の子、棒立ちです。オロオロしてるのが伝わってきます。
「あっ、すみません。ごめんなさい。どうぞ行って、行ってください」
と、とりあえず言って手で「そちらへ」のジェスチャーをしました。
これから学校なのに、こんなことに巻き込んで非常に申し訳ない。「いいから行ってね、行ってね」を繰り返しましたが、彼らは動きませんでした。倒れたままで顔は見えませんでしたから、表情は分かりませんでしたが。
そこで運転手さんがやっと気づいて、
「あっ! どうされました?」
と飛んで来ました。もちろん「大丈夫ですか」とは尋ねられるのですが、何より気になってらっしゃるのは
「バスが止まる前でしたか?」
これでした。何度も確認されました。
そりゃそうです。バスが動いている間のことだと、運転手さんに色んな責任問題が生じるからですね。
今回はもちろんそうではないので、違うということをお伝えしました。
その時点で自分の膝の状況は分からないので、私の頭の中はとりあえず
(これ、仕事は行けるんか?)
(ダンナに連絡しなきゃのう)
(まずいー。めっちゃまずいー)
でした。
ダンナは幸いにもというのか、先日からリモートワークになってまして、自宅におります。普段であればもう出勤する時間のはずでした。
高校生さんたちはようやく降りていき、ひとまず手助けされて座席に座らせてもらって、運転手さんと今後のことを話し合い。
痛みが少し引いたようなのでそうっと立ってみようとしましたが、力が抜けていてとても無理です。
(うわあ、無理やあ。や、ヤバス!)
心の中で頭を抱える。
「どうしますか。このバス、このまま戻るので、ダンナさんがおられるんやったら乗っていきはりますか」
「うーん……」
悩む私。
うーむ。いやこの状態でバス停から自宅へなんて歩けない。ダンナがいても無理やろう。
それに、本当に膝が大変な事態ならこのまま病院へ直行した方がいいに決まっている。
下手に動かしたらもっと大変なことになるかもしれんし。
しかし。
私は過去に、ムスメの通っていた幼稚園で行われた救急の講習で、この地域にいかに救急車が少ないかを聞いて知っていました。
(ホンマに今、わたしなんかか使ってええのか……??)
そこをかなり考えました。
昨今の、救急車をタクシー代わりに使うような不届きな人達のニュースが頭を掠めました。
が、あまり時間はありません。バスの次の出発時刻が迫っています。
「やっぱり、救急車呼んでください」
「分かりました!」
運転手さんが救急車を呼んでくださる間に、私は仕事先の学校とダンナへ電話。
運転手さんから「良かったら教えてください」と言われて、名前と携帯の番号をお知らせしました。
膝はズキズキしています。やっぱり、とても1人で立てる状態ではありませんでした。
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