第3夜③ 3:17 n回目終了

「ひはあ」


「ごめんなさい。ごめんなさい」


「え。何がですか?」


「わたし。ごめんなさい。はじめてだったの。あなたが」


「えっ」


「ごめんなさい。わたしのせいで。あなたの中の火を着けちゃいけないところに。火を着けちゃった。ごめんなさい」


「いやいや。俺のほうこそ。三桁だという前提で、思いの丈をぶつけすぎました。本当にごめんなさい。気をつけます」


「あっ抜かないで」


「え、でも」


「続行を。希望します」


「いや。さすがに。その。まずいのでは。俺がおはじめてってことはですよ。計算上、第3夜ということになるわけでですね。あなたの体調が心配なわけです」


「あっ。いやん」


「ほら。今もですよ。液体、出すぎではないでしょうか。俺からは一時休戦を提案します」


「戦闘続行を。希望。します」


「いやあ、さすがにまずい気がするなあ」


「水分補給もしますし。お手洗いにも行きますので。あせとかがだめだったら、シャワー浴びますので。おねがいします。どうか。その斜め百三十五度をわたしに。どうか」


「斜め百三十五度は反りすぎててやばいです」


「おねがいします」


「泣くほどですか?」


「あっこれはさっきの分のやつですね。今回のお願いとは関係ないです。きもちがよければなみだもでます」


「そすか」


「そすそす」


「じゃあ、十五分休憩で。とりあえず十五分休んで、そのあと大丈夫そうだったら、しましょう。俺も休憩します。それでいいですか?」


「ありがとうございます」


「(言うて疲れてるでしょ。十五分あったら寝るでしょ)」


「(ごしごしごし)」


「いやいやいや。なにしてんの」


「こすってます」


「休憩だから。休憩して」


「だって。だってだってだって」


「わかった。わかりました。十五分寝てください。絶対です。この睡眠は、絶対条件です。あなたの入眠を確認し次第、俺も十五分寝ます。続行は、その後。よろしいですか」


「寝ないとだめ?」


「だめ。かならず。寝なさい」


「わかりました。おやすみなさい」


「おやすみなさい」


「ぐぅ」


「あなたいびきかかないでしょ。寝たふり禁止」


「見破られた」


「俺は見てるからな。ちゃんと寝なさい」


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