大樹の子
神楽
第1完結
羽を無くした鳥
生き場所探して旅に出る
空は高く
他の鳥達は小鳥が成長し
共に旅立つ
だが羽を無くした鳥には
あの場所が遠く
地上より眺めてる
空行く鳥達に問う「ねえ空は広いの?大きいの?」
だが空は遠く
誰も答えを返してくれない
羽を無くした鳥はそれでも
空高く飛ぶ
鳥達に問う
何度問うが
地上の鳥の声は届かず
疲れ果てその場で立ち止まり
自分の道を見失う
空は遠く
地上は暗く
右に左に
前・後ろ
地上の鳥は自分の羽に問う
その羽が自分自身だと言うことを忘れ
「私はもう一度貴方を大きく広げ
あの遠い空まで飛び立てないの」
羽は何も答えず
地上の鳥
身体が変化
その現実さえ理解出来ない
やがて
地上の鳥の足が
その地に根付く
鳥はその現実に気付かないまま
空に憧れ上ばかり眺めていた
ようやく気付く
今の現実
羽は左右に広がり枝となる
空ばかり眺めていたから
クチバシが空に向いたまま
小さな一本の樹木と成る
ある日飛べなくて枝になった羽に
空高くより降りて来た親子鳥
小さな可愛い小鳥が親鳥に話す
周りを大樹に囲まれた小さな樹を
なぜ?
止まり木に選んだの?
ここは暗いよ
小鳥の言葉に親鳥は
「空から地上を観た時 この樹だけ空高くまで いらっしゃい を言っている様な気がしたから
暗い場所だけど
何故かこの樹の枝は暖かいでしょ
まるで私達を ずっと待っていた様な」
小鳥が話す
「うんお母さんと同じ暖かさだね」
それを聞いてた地上の鳥
初めて自分の存在を知る
種として空に舞いこの地に降りた
その時に
沢山の鳥達のさえずりを聞き
自分が鳥だと思った事
全てを理解し受け入れた
地上の鳥
もう鳥とは思わない
いつか自分もお母さんのように
沢山の鳥達に囲まれるために
空を目指し
大樹となる
空を目指す気持ちは変わらず
でも自分を見失う事なく
新たな目標目指し
今・空を眺めてる
空は遠く
でも心は………〆
大樹の子 神楽 @wkaku4
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