第13話 みずべちほー到着


ブロロロロ...


「...此処まで来れば安心かなぁ?

そろそろ車から降りようか...」


キキィ...バタン、バタン...


「はぁぁ...やっぱり外の空気がいいな...」


イッカクが背伸びをしながらそう呟く


「あれ...もう目的地に着いていたのか?」


森の外を覗くと、水辺が広がっている...


「よしイッカク、早速辺りを散策するか!」


「わかった、着いていこう。」


*



装甲車をしまって辺りを歩き始める。


ザッ...ザッ...ザッ...ザッ...


「舗装された道路があるな...お?あれは...」


道路の先に水辺の上を通れる道が続いて、

その先に建造物が見える...


「あれが目的地?あそこにアイドルが...」


コッ...コッ...コッ...コッ...


…道は木製で作られている、腐らないのか?


「車でこの道外したらレッカー不可避だな...

まぁ、俺は収納があるからいいが...」


ハルはそんな事を考えながら建物に近づく...


「イッカクはPPPだっけか...を知っているのか?」


「あぁ知っているぞ。一度見た事がある...」


「え?そうなの?」


「うーん...見かけたという方が正しいな...」


「へぇ...」


…以外とフリーなアイドルなのか?


「なるほど...ライブ会場か...

なんかフレンズが数人いるみたいだが...」


コッ...コッ...コッ...コッ...


───あれ?見かけない顔...


────大きな子だなぁ...


───なんのフレンズだろ...?


…視線が痛い...頼むから凝視しないで...


そんな事を思いながら観客席の間を通る。


キョロキョロ「アイドル...流石に都合よく

居る訳ないか...さてと...次の場所に...ん?」


…黒くてヒョウ柄の子に白くて丸い耳の子が

話しかけている...ふむ?何か断られたのか?

あ...なんかこっち来た...


「はぁ...どうしようかしら...中々受けてくれ

る子が居ないのよね...早く見つk...」ドン!


…いたた...一体何が...


「おい嬢ちゃん、大丈夫か?」ゴゴゴゴゴ...


「あっ...あぁ...きゅう...」 バタッ...


「ちょっ...ゑゑっ!?なんでぇ!?」


『マスター、威圧のオーラが漏れています』


「それガチ?それよりもこの子なんとかs...」


「おい貴様!マーゲイに何をした?」


…さっきこの子と話してたヒョウ柄の子!?


「ちょっとまて!ハルは何も...」


「君じゃない、そのハルに言っている!」


…えぇ...なんて説明しよう...


「お、俺の顔見たら気絶しちゃった...」


「「.....」」ゴクリ...


二人の間に沈黙が続く...


「なるほど...確かにその強面を見たら気絶

するかもな。(私も時々言われるし)ボソッ」


…えっ、俺の顔そんなに怖い?


「イッカク...俺の顔怖いと思う...?」


「ん〜確かに出会った時は怖かったが...」


「イッカクぅ!?」 ガーン...


『先程の報告、威圧無しでも可能かと』


「Rain、お前もか...」


───ブツブツ...ブツブツ...


ヒョウ柄の子が何か呟いている。


「...気が変わった、ハルとやら...私と勝負しろ!」


「あぁ勝負ね...えっ?」


*



「さぁ掛かってこい!」メラメラ...


「俺やるって言って無いよぉ!?」


ステージ上に二人が向かい合う...(ハルは無理矢理連れてこられた)


ざわざわ...ざわざわ...


段々とフレンズが集まって来ている...


───あれ?何が始まるの?


────なんか力比べやるらしいよ?


───ブラックジャガーに勝てるかなぁ...


…この子ブラックジャガーっていうのね!?


「戦う理由は何だブラックジャガー!?」


「来ないなら私から行くぞ!」ダッ!


「話聞いてねぇ!?ガン無視かよ...」


…しょうがない...やるしか無いか?


「はあぁぁ!!」ブォン!ブォン!


「ほっ...よっ...」


「おい!避けてばかりじゃ勝てないぞ!」


「いや...だって...」


…どのぐらいの強さで攻撃すればいいの?


『警告、現在のパワーでの攻撃は対象の

フレンズに致命的なダメージを与えます』


「だよなぁ...しゃーない一回食らうか...」


タッタッタッタッタッ!


「食らえぇぇ!!」ブォン!パアァァン!!


横顔に当たる直前、ハルは左手でガードする


パキッ...メリメリィ...


…あ^〜骨にヒビが入る音...痛ってぇ!?


「どうだ!今のは効いただろ?」フフン...


「あぁ...確かに効いたぞ?だが...」


『処理中...威力調整完了』


「今度はこっちのターンだぜ?」ダッ!



*



───マーゲイ!マーゲイ!?


「うーん...はっ!?」がばっ!


「マーゲイ大丈夫?貴女いきなり倒れたって

聞いたから皆で急いで帰ってきたのよ?」


「ここ最近動いてばっかりだろ...

これを機に少し休んだ方がいいぜ?」


「いえいえ...これが私の仕事ですから...」


「こういうのって社畜って言うんだよね〜」


「うっ...」グサっ!


「それにしても凄いですね、アレ...」


言葉に反応し、マーゲイはステージを覗く...



タァン!パァン!ドゴォ!タッタッタッ...


「はぁはぁ...さっきより強いじゃないか?」


「君は最初に比べて勢いが落ちたぞ?」


「くっ...舐めるなよ!はぁっ!!」ブォン!


タッ...ヒュン! タァン!ドゴォ...



「あの黒い子は私達のライブに来てくれる子

なのは分かるけど...もう一人は誰かしら...」


「コウテイもそう思うよね〜 ...コウテイ?」


「.....」チーン...


「「「「また気絶してる...」」」」


「ふふ...ついに...ついに見つけたわ!

皆さん...少し演技をしてくれませんか?」



ピーンポーンパーンポーン...


───“しゅーりょー!!ステージの上で戦っ

ている二人は一旦勝負を辞めてくださ〜い!


ピタッ...


「ん...何だ?この放送...」左手さすさす...


「はぁっ...はぁっ...勝負は終わって...な...」


シーン...


…何だ?いきなり静まり返って...


「みんな〜!盛り上がってる〜?」


「五人揃って〜...」


「「「「「PPPペパプ〜!!」」」」」


──ワアァァァァ!!PPPだぁ〜!!!


「突然だけどマーゲイが倒れちゃったのは

知っているわよね?」


──私知ってる〜!


───そうなの〜?


「聞いた時にはびっくりちゃいました...」


「でも皆がパニックにならなかったのは...」


「この二人の演技のお陰なんだぜ!」ビシッ


───そうなんだ〜!!


「...えっ?俺達!?」きょとん...


「ななな、何で私まで!?」オロオロ...


タッ...タッ...タッ...タッ...


「この度はファンの皆さんにご迷惑をお掛しました...」ぺこり....


「そのお詫びとしてはなんですが...

重大告知をしたいと思います!!」ドンッ!!


───なになに!?


──なんだろ〜?


───もしかして...


「勘のいいファンの方は分かるかもしれませんが...新しいイベントを計画中ですっ!!」


───やっぱり!?


──イベント!?


「どうか皆さん楽しみにしてくださいね!」


───ワアァァァァ!!


*



レッスン室にて...


「んで...?何でPPPが目の前に居るんだ?」


「PPP.....」思考停止中...


…あぁブラックジャガー...ファンなんだな...


「マーゲイが貴女に用があるって...」


「えっ...どんな用?まさか...」


…気絶させた時の恨みとか?


「ふっ...ハルさんでしたよね?実は...」


お願いがあるのですが───



…何をお願いするんだ...(勘違い)

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