第8話 図書館にて...


*


場所は変わって...


──アルカード国周辺の敵国、その軍人達...



こんな噂を聞いた事はあるか?

「あの国に最強の傭兵が居る」...と


ある者は...


「確か銃器だけで小隊数個殲滅したとか...」


またある者は...


「いや?俺の同僚が指揮する駐屯地が傭兵に

格闘術だけで制圧されたとか...丁度、他の軍

の指導者として駆り出されてて助かったと」


「軍刀一つで戦場を死体の山にしたそう...」


「それって魔術での戦果じゃなかったか?」


...しかし、そんな傭兵が存在する訳が無いと

馬鹿な貴族達は鼻で笑った...


真実を知るのはその場の戦死者だけなのだ...


────────────────────

....

..

.


此処は...?


けたたましい警報音と共に、

辺りが火の海になっていた。


…私は...誰だ?


───こっちに来て!?早く!


…君は...あの時の女性か?


───貴方は希望なの。


…何の?


───この世界と...遠い星々の...


…そうなのか?


───こんな悪事に利用なんてさせない...


───貴方は...それまで自由に生きて?


そう言い残すと彼女は、

被験体を滝へと突き落とす。


………?


落下していく自分の事は気にせず、

ただ彼女の事を見ていた。その時...


彼女は爆発に巻き込まれた───


.

..

....

────────────────────


目が覚めた、身体中が痛い...ここは...?


「グオォ...体中が...いてててて...」


どうやら尻尾や翼は消えている様だ。

彼は周囲を見回す...


「これは...家の中か?一体何が...」


彼はあの時を思い返す。


…確かC4を起爆した後、何故か目の前が...

それに...



───龍の力に代償があるのを知らんのか?



…龍の力って俺のとっておきの事だよな?

それに代償?今まで何十回と使ってるのに...


「分からんな...とりあえず部屋を出るか...」


どうやら地下室だった様だ。

彼はハッチを押し開け外へ出る。


「よいしょ...なるほど?ここは目的地の

図書館だったか...皆は何処に居るんだろ...」


その時、誰かが図書館の入り口に立った。


「起きたのですか?調子は良さそうですね、

イッカク達が待っているのですよ?」


「えっと...君は誰だ?」


「私はアフリカオオコノハズク、コノハ博士と呼ぶのです。エゾヒグマ達を助けてくれて

感謝するのですよ?」


…また動物の名前か?イッカクといい...

エゾヒグマといい...何故皆動物の名前を?


「ハル!大丈夫なのか!?」


「イッカク、あぁ...大丈夫だぞ。ほら...」


そう言うとハルはバク宙をするが、

...した後の彼はキツそうな顔を我慢する。


…体痛いの忘れてた...


バサッ「どうやら起きたようですね?私は

ワシミミズク、博士の助手です。エゾヒグマ

達がお礼を言いたいそうですよ?」


「彼女らが?了解、今行くよ。」


外に出ると彼女らが椅子に座っていたが、

ハルに気付くとこちらへ近づいてきた。


「あの時はどうもありがとう。仲間の

コディアックまで救ってくれて...」


「あぁ、それにしてもどうやってここまで

来たんだ...あれは使えないだろう?」


ハルは装甲車を指差す。


「ハル、それならボスが運転してくれたぞ」


…ボスが?案内ロボットが軍用車両を運転

出来るものなのか...まぁそれは良いとして。


「さてコノハ博士、元々図書館に用があって

来ようとしたわけだが...聞いていいか?」


「ハル...で良いですね、なんですか?」


「まず、此処は何処なんだ?

それから...フレンズってなんなんだ?」


「事情はイッカクに聞いているのですよ。

此処はジャパリパーク、フレンズというのは

動物がサンドスターによって変化した物...」


…なるほど...動物がサンドスターによって...

まて、じゃあここに居る皆は元動物なのか!?


「それから...二つ聞いてもいいですね?」


「あ、あぁ大丈夫だが...」


…何を聞かれるんだろうか?


「ハル、貴方はオスですか?」


…うん?


「あぁそうだが...何故だ?俺以外にも男は

居るだろう、何でそんな質問を...」


「残念ですがフレンズにオスは存在しないの

です...オスの特徴を持った者ならいますが...

どうやら貴方は例外のようですね?」


…なん...だと...?


「えっ...それじゃあ此処に俺以外の男は...」


「ハルとは別でオスのフレンズ化が

起きない限り、貴方一人だけです。」


…オイ!それってyo!簡易的ハーレm...

いやいやいや!?やらないよ?経験無いし()


「ちなみに言い忘れていたが、

俺はフレンズじゃないぞ?」


「皆薄々気づいていたのですよ?フレンズに

成り立ての者がこんなに知識を持っている

筈が無いのですから。」


…まぁ、そうだろうなぁ...


「えっ!?ハルってフレンズじゃないのか?

てっきり私たちと同じかと...」


…イッカクが驚いた顔をする、

...エゾヒグマ達三人も驚いた顔をしている。


「...気づいてたのは博士達だけみたいだな」


「そうなのですか博士?私はてっきり

フレンズだと思っていたのですが...(便乗)」


「「.....」」


ハルと博士が同じ事を思ったのは、

間違いないであろう...


「はぁ...んで?二つ目は何だ?」


「ハル、料理...は作れますか?」ジロ...


その質問で、助手の雰囲気も変わった...


…な、何だ?そんな質問で

どうして空気が変わるんだ!?


「...あぁ、作れるが...それが何か?」


その瞬間、博士と助手は目を輝かせる。


「なるほど、作れるのですね?では...」


何か料理を作るのです─────



※裏話


「ハルってオスだったのか?てっきり私たち

と同じメスかと思ったぞ...」


「えぇ...何でだよ...」


「だって私達メスの顔そっくりだからな。」


…いや?は分かるが今の状態で女性

ぽいって言われた事なんか...


その時、ハルは傭兵事業に加担し始めた頃、

女性っぽいと言われていた事を思い出した...


…何故だ!ここでも言われるのか俺は...

しかも女の子にぃ!?


自分の顔に疑問を抱くハルだった───

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