第3話 海といえば?



海といえば何を思い浮かべるだろう?

海水浴?釣り?しかし彼は違う。


…海での思い出?うーん...

シージャックされた大型タンカー奪還に...

海上に大量発生したリヴァイアサンの

掃討依頼...それから人工島の薬物工場で、

ドンパチしてこいって無茶振りされたり...


「あまり良い思い出はないですなぁ...」


苦い体験を思い出しながら、下の砂浜に降りれそうな所を探すが見つからない。


…かなり崖沿いを歩いているが

降りられそうな所が無い...

俺に焼き魚を食うなとでもいうのか!?


「いっそここから砂浜に飛び降りるか?

...まあこれぐらいの高さなら難なく着地出来るだろうが。」


*



ドオォン! サラサラサラァ...


「ふぅ...無事に着地出来たな?焼き魚達

が俺を待ってr(ドガァン)痛い...」


着地の衝撃で砂が舞っているせいで、彼が

歩き出した時、崖肌にぶつかってしまった...


「いたた...ゆっくり移動する事にしよう...」


顔を出した太陽の光が海に反射し、

影だった崖側を照らし始めた。


…やはり素潜りで海産物を探すか...うん?

奥の砂辺に何か見えるな、なんだろう...


ザッ...ザッ...ザッ...ザッ...


「おいおい...何だよこれ...」


そこには何と厚い装甲が施された戦車の残骸があった


…何故こんな所に戦車コイツが?見た所半分埋まって錆びている様だ...これじゃあ種類が分からないな...


「待て...あっちにも何かが...」


…どうやら奥には武装船らしき物もあるが...

座礁しているだけで中に入れそうだ...


「この島...ただの島ではない様だな、もしかしたら敵兵が居るかもな。」


…うーむ...もっと情報を集めねば。


戦車の残骸を後にし、船へと向かう。


…ふむ、これは船というよりかはボートに

近いな... だが数個しか機銃がないからPT高速魚雷艇でも無い、偵察艇か?


船に上がり、取り付けられている機銃を確認する。機銃の周りには海藻がべったりと

くっついているので剥がす。


…これはM2か?

錆がフレームを侵食していて動かせないな...


こっちはM134...と思ったが

これはGAU-19だな?3銃身だから軽量型か。

こっちは動かせそうだが生憎、給弾機構の

関係で捥ぎ取って使う事は出来ないか...

M134なら何とかなったんだがなぁ...


お?これはM240か!

これなら捥ぎ取ってつかえるぞ!

...だが7.62mm弾なんて持ってないなぁ...

船内にあれば良いが...



…一通り武装を見た感じMK Ⅴ SOCっぽいが、形が違うな...違法改造か、似せて作った動く模造船か...どちらにしろ良い所の物ではなさそうだな? うん?何か掘ってあるな...


「...は?...嘘だろ?」


そこには何とこの様に掘られていた。

(アルカード王国建国記念 贈呈船 1994,12,7)


…おいおい冗談だろ?何故あっちの世界の

物がこっちにあるんだ?それに建国は

確か冬だとは聞いているが1994年?

1953年の間違いじゃないのか?


…それよりもここは俺の世界なのか?そうだとしてもあの火山の説明が出来ないな...


…だがコイツももしかしたら俺みたいに

こっちの世界に来てしまった被害者なのかも

な...船内に何かヒントがあると良いが...


*



船内に入るが、中は意外と綺麗だった。


…弾薬は...あったがこっちはいいとして、

通信記録とか調べられないか?


船内にある機器を触るが反応が無い、

完全に壊れている様だ。


…うん...流石に壊れてるよね、仕方ないから

色々物色しようかなぁ...


どうやら弾薬の他に食料もあるようだが、

何年経っているかわからないので使えそうな薬品と弾薬を貰っていく事にした。


「こんなとこか? うん?これは...メモかな?

何か書いてあった様だが分からないな...」


…読み取れる所は...


──時* #€裂= に"- ^ けろ ──



…はい、分かりません...とりあえず弾薬を手

に入れたしM240を取るか...あの銃どうやら

特殊改造されてボックスマガジンが使えるよ

うになっている...有難く使わせてもらおう。


銃座と銃との接合部を荒技で破壊し、新しい

銃器を手に入れた、彼は船から降りる。


…当初の目的から大いに外れているが、

強力な武器も手に入ったし、

早速魚獲りを...?なんだ?あの影...


遠目でも分かる程、かなりの大きさの

魚影らしき物が見えているが、

最悪な事に、こちらへ向かってきている。


…おいおい、あれってまさか...


そのまさかで巨大なリヴァイアサンの形を

したスライム...もはやもどきで片付けられる

造形を越えていた物が水面から顔を出した。


…あぁ、もう弱い奴とは思わないから勘弁してくれ...


"───GUOOOOOoooo!!


早速リヴァイアサンが水刃を繰り出す。

彼はそれを避けるが先程まで居た場所が

抉られ、岩肌には削れた跡がくっきりと

見える。


「あんなのに当たったら無傷じゃ済まなそうだなぁ!見た目だけもどきだが、ほとんど

リヴァイアサンそのものじゃないか!?」


スチャッ...ダダダダァン! ダダダダァン!


彼は即座にM240を構えて撃つが、表面を

削れる程で、あまり致命傷を与えられ無い。

...しかし額の盛り上った結晶部分に当たると

仰け反って嫌がっている様に見える。


"───GUAAAAAaaaa!!


怒っているのか、水刃を連射してきた。


「うおおぉぉ!?連射とかありかよぉ!!

避けろ俺ええぇぇ!!」


ドガァン! ドガァン! ガラガラガラガラ...


流石に耐えれなかったのか崖が崩れ落ちる、

リヴァイアサンは怒り狂っている様だ...


…弱点は分かったがどうする?このままじゃジリ貧だ...待て?確か...


持っていた物を思い出し、決意する。


…やってみるか。失敗したら逃げよう...


次の瞬間彼は走り出した。リヴァイアサンは

逃すものかとブレスを溜める為に口を開けるが、彼はすかさずある物を投げた、それは...


…M67破片手榴弾、別名はリンゴだ。

美味しくお食べ?


ドガアァァン!!


"───GUAAAAAaaaa!?!?


リヴァイアサンは仰け反りながらもこちらへ

ブレスを撃とうとするがブレスを溜める器官

を破壊した様で、撃つ事が出来ない。


"───GA...GUAAAAAaaaa!!


痺れを切らしたのかこちらへ突進してきた。


…これだから偽物もどきはダメなんだ、

こんな簡単な事すら気づかない。


───誰が一個しか投げてないと言った?


ドオオォン!!


"───GUAAAAAaaaa!?!?


水柱と水飛沫と共にリヴァイアサンの体が抉られると、勢いよく海面に倒れ込んだ。


…M26手榴弾、別名はレモンだ。海に投げ込

んでも単純な爆破で高威力、有り難いねぇ...


船に飛び乗りGAU-19の銃身を奴の

倒れ込んで無防備になった弱点に向ける。


"──GGU...GUGA?


「残念、チェックメイトだ。」


ブオオオォォォォォ!!


毎秒約100発撃ち出される12.7mmの火力で

弱点もろとも奴の顔面は粉々になった。


…5秒も点射してしまった...

完全にオーバーキルだなこれは。


"──G...GA...


パッカァン!


…強敵、無事撃破!この船が無ければ

倒せなかっただろうな...さてとさっさと

魚を取って焼き魚を...あれ...何か...ゑ?


先程までリヴァイアサンもどきが

いた場所には何と...


───何故か少女が溺れていた...

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