ふたりの部屋

倉石ゆら

第1話 mamaの愚痴

side.Saku



約束の2年が経ち、僕らは念願叶って同棲をはじめた。

大学のサークル内では、よくママと息子と揶揄される僕らだが、本当のことは仲のいい数人しか知らない。ただの仲良しじゃないんだよ。ほんとは、付き合ってます。



両方の親には、友だちとルームシェアすると言って、とうとう一緒に暮らし始めた1ヵ月目は、本当にらぶらぶで…仲良しで…。



これが、幸せっていうんだなぁ~とかふわっと思っていた。

今なら、所謂[脳内お花畑]になってたと分かるほどだ。





今までもお互いの家行ったり来たりだったけど、

やっぱり、当たり前のように「おやすみ」と「おはよう」を目を見て言えるってことはすごく幸せなこと。







ただ、一緒に暮らして約3ヵ月。




…ほんと、あの男は、、



ねぇ、ちょっと…俺の愚痴、聞いてくれる?


まぁ、嫌と言われても続けるんだけど。。





京司は最近、何もしてない!


もともと、家事全般は自分がするだろうと思っていた。

それは、別にいい。自分でも、家事をすることは好きだし楽しいから。

まだ別々にアパートを借りていた頃、京司の家に行っては山積みの洗濯物や角のホコリを片付けていたし。




ただ、脱いだら脱ぎっぱなし、

食べたらテーブルにおきっぱなし、

出したものも片付けないし、本当に何もしなくなってしまった…。




見つからないものとか、必要なものとか

目に見えるところにないとすぐ



「咲久ちゃーん、ないねんけどぉ~」って俺を呼びやがる。



頼ってもらってるようで

あぁ、かわいいなぁ と最初は思ってたよ?



けどさ、

自分で少しは探せぇっと最近も怒ったばっかり。



世の中の奥さん方の気持ちが多少わかった気がしてしまう。



というか、このままでは本当ににママと息子になってしまう…。

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