Delivery〜あなたの想い、届けます〜

茉莉花 しろ

プロローグ


『想い屋』


ネットの何処かにこのようなサイトがあるそうだ。『あるそう』、という言い方をするのは、本当に存在するかどうかが定かではないと言うこと。つまり、俗に言う『都市伝説』だ。


都市伝説、と一言で言っても種類は様々。一番に思いつくのは怪奇現象とかだろうか。それもそうだが、それ以外にもサイトでの都市伝説もあるだろう。


人が本当に必要だと願わないと出てこないと言うサイトとか、はたまた場所とか。それならまだ神秘的な都市伝説になるのかもしれない。


ところで、こんな都市伝説を作ったのは1人の少女。日本に居るには目立ってしまうその髪色と目の色。


白に近い銀髪は今にも溶けそうな綿あめのようで、そのから見える青い目は深海を思い出させるような深い深い青色。その色が映えるような綺麗な透き通った白色の肌。


どこからどう見てもアルビノの個体にしか見えない彼女は、これまた変わった能力を持っていた。




そんな彼女が作った都市伝説が、『想い屋』である。




『想い屋』とは、その名の通り、人の想いを伝えるために存在している。ただ人の想いを伝えるだけなら郵便局に手紙を出したり、テクノロジーが発達した今ならテレビ電話も出来るだろう。


しかし、それでも必要としている人間がいるからこの『想い屋』は存在している。では、どんな人間が必要としているのか?







それは……






まぁ、これからの話を読んでいけば分かるだろう。




え?私は誰だって?




うーん、この『想い屋』の案内人、ってとこかな?




ここで話しているのも野暮だ。





さぁさぁ、何処かの誰かのお話を読んでみよう。


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