災い

勝利だギューちゃん

第1話

朝、早起きしてお弁当を作る。

自分のために。


会社で食べるお昼のお弁当。


食えればいいので、見栄えは気にしない。

味も、自分が食えればそれでいい。


最初は、面倒臭かったが、慣れてみると意外と楽しい。

気分転換になる。


趣味が増えた。


セカンドライフは、お弁当屋を開こうか・・・

冗談ですよ。


もし出したら、速攻営業停止になる。


今日の、おかずは何にしよう。

って、時間がない。


仕方ない。

昨日の、あまりもので済ませよう。


ちなみに、ご飯はすべて自炊。

昨日のおかずは、鶏のから揚げ。


それを、チンする。


卵焼きとタコさんウィンナーは、作ろう。

タコさんウィンナーを、発明した人は天才だ。


では、行ってきます。

誰も、いないけど・・・


会社での、お昼休み。

同僚は、外へ出る。


声をかけらえるが、弁当を見せると、出ていく。


愛妻弁当と勘違いしては・・・いないな。

独身なの、知ってるし。


でも、お茶はない。

仕方ない、買ってこよう。


誰も・・・盗まないよな?


ロビーにある自販機で、ペットボトルのお茶を買う。

「おーい!お茶」

決めているのだ。


部屋に戻ると、会社の女の子が僕の弁当を食べていた。


「あっ、食べちゃったよ」

いたずらっぽく笑う。


「置いておくほうが悪いんだからね。美味しかったよ」

勝ち誇っている。


「それはいいんだが、体何ともないか?」

「えっ?」

「おなか痛くないか?」

「何?どうしたの?」

「気分悪くならないか?」

「何ともないけど・・・どうして?」


女の子が不安そうに見る。


「そうか・・・それならいいんだ」

僕は笑って席につく。


予備は用意してある。


「教えてよ。不安になるじゃない」

「いや。ただ俺が作ったものだから」


女の子は驚く。


「本当に?〇〇くんが作ったの?家族じゃなくて?」

「俺は独身の、一人暮らしだ」

「嘘。すごく美味しいよ。見栄えは悪いけど」


ほっとけ


「じゃあ、変わりに私のお弁当をあげる」

「いらん。予備がある」

「だめ。食べて」


そういうと、女の子はお弁当を差し出す。

かわいいお弁当だ。


でも、女子高生みたいだ。


開けてみる。

見栄えはいい。


食べる。


箸を置く。


「どう?」

「大人として、もう少し上手く作ってください」

「ドジっ子属性でいいでしょ?」

「許されるのは、女子高生までです」

「仕事以外なら、許されます」

「結婚したら、許されません」


こうして、この子とは、お弁当の品評会をするようになり、休みの日は料理をする仲となるのだが・・・

何が災いするのか、わからない世の中だ。


「幸いでしょ?」

「いや、災いだ」


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災い 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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