いつものバッドエンド (15)

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　いつも。

　わたしには、バッドエンドが待っている。

　大きな事故とか風邪とかでもなく。最近は、小さなバッドエンドが連続で起こり続ける。

　バッドエンドがいやで。どうしても、ハッピーエンドにしがみつきたくて。勉強をした。身体を鍛えた。そうやって、自分の力をあげて。その上でも、バッドエンドは、やっぱり続いている。

　目の前で。助けられない。どんなに頭が良くても。身体が動かせても。見知らぬ誰かのことを助けようとしても、あと一歩。それだけが。足りない。

　生きている意味が、あるのだろうか。いつも、思う。バッドエンドが続くのは。自分の人生が、必要のないものだから。早くいなくならないと、いけないから、ずっとバッドエンドが。

　そんなことを思っても。意味はなかった。人の人生とか、命とかに。価値も、神聖さも。存在しない。しんでいく人を多く見てきた。生きる素晴らしさとか、生きる喜びとか、そういうのが、どれだけ空虚でむなしいものかも、分かっている。

　ものによっては、経済活動や宗教のために生かされているような人たちもいる。そういう人たちは、自分が幸せだと刷り込まれているから、とてもふしあわせだった。どうしようもない。洗脳と操作だけは。解けない。人間は、そうやって、生きる。

　わたしは。

　なぜ。

　人を助けて生きるのだろう。

　バッドエンドの荒波のなかを。

　なぜ、もがいて。ひたすらに、なにかを。誰かを助けようとして。

　意味なんて、ないのに。

　夜の街。

　今日も。

　歩く。

　誰かの、救いようのないバッドエンドを。

　それでも。なんとかしたいと思いながら。