202010 ジャパロボ チーム祐奈2-5

渋谷かな

第1話 チーム祐奈2-5

「私は真っ赤なリンゴです! はい!」

 麻衣は一人で全ての都道府県の予選のデータを分析している。

「zzz。」

 教官の祐奈は寝ている。

「ガオー!」

「ドラキュラだぞ!」

「フランケンシュタインよ!」

 優子、久美、麻理子はゾンビごっこで話にならない。

「私がやらねば誰がやる! 次は近畿ブロック! いざ! 出陣じゃ!」

 一人気合の入る麻衣。

「兵庫県代表、甲子園ジャパロボ、藤原景子。」

「大阪府代表、たこ焼きジャパロボ、高畑あやみ。」

「京都府代表、舞子ジャパロボ、北大路里帆。」

「奈良県代表、大仏ジャパロボ、堂本奈緒。」

「和歌山代表、みかんジャパロボ、明石家冬美。」

「滋賀代表、琵琶湖ジャパロボ、西川けい。」

「よし! できた!」

 麻衣は近畿ブロック6都道府県を加えて23都道府県を制覇した。残り24都道府県。

「こいつらの動機も、日本一のたこ焼きを作るジャパロボになりたいとか、優勝してジャパロボで大仏を掃除するんだとかなんだろうな。なんで、そんな願いを叶えたいんだろう?」

 ただし本人たちにとっては真剣な願いである。

「・・・・・・そうか! 全国ジャパロボ大会には人々の夢や希望があるんだわ! だからみんな頑張ってジャパロボで競い合うのよ! ジャパロボ大会はみんなの夢と希望が詰まっているんだわ!」

 全国ジャパロボ大会の恒例の商品は優勝者は副賞として公務員になれる。自衛隊のジャパロボ・パイロットとして就職できるのだ。これで祐奈も自衛隊に入隊し、公務員として安穏と自堕落に眠って生活している。

「全国ジャパロボ大会の優勝者には100万円だったのを・・・・・・優勝賞金1億円! それか何でも一つだけ願い事が叶うにしよう。祐奈教官が知ったら怒るだろうな。3連覇しても300万円と3億円じゃ、2億9700万円も違うもんね。」

「zzz。」

「一生寝てろ。」

 そうとは知らずに眠り姫は眠り続けている。

「ガオー! お化けだぞ!」

「おまえたちには何も言わん。好きにやっていろ。」

「いや~ん!? なんとか言ってよ!? 放置プレイ反対!?」

「悲しい・・・・・・。」

 ゾンビたちは藻掻き苦しんだ。

「はあ!?」

 その時、麻衣は何か気がついた。

「しまった!? このままでは全ての都道府県のデータ分析が進まない!? 残業どころか!? 終電も終わって宿直になってしまうじゃないか!?」

 優秀な麻衣は残業はしない主義である。

「ここから飛ばして一気に終わらせるしかない! がんばるぞ! おお!」

 麻衣のハートに火が着いた。

 つづく。

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202010 ジャパロボ チーム祐奈2-5 渋谷かな @yahoogle

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