202010 ジャパロボ チーム祐奈2-4

渋谷かな

第1話 チーム祐奈2-4

「調子は良好。一気に中国地方を突破してやる!」

 麻衣は孤軍奮闘していた。

「zzz。」

「ガオー! ゾンビだぞ!」

「おかしくれー!」

「ハロウィンって面白い!」

 眠り姫とゾンビ3匹は寄っていなかった。

「山口県代表、河豚ジャパロボ。パイロットは道重知美。」

「島根県代表、しじみジャパロボ。パイロットは錦織美佐子。」

「広島県代表、カープジャパロボ。パイロットは綾瀬奈央。」

「鳥取県代表、砂丘ジャパロボ。パイロットは瀧本アヤコ。」

「岡山県代表、渋子ジャパロボ。パイロットは桜井ちえみ。」

「よし! できた!」

 麻衣は中国地方を制覇した。47都道府県完全制覇まで、残り30都道府県。

「それにしても地方の人が都会に来て芸能人になるのって、本当に難しいのね。」

 パイロッの名前を試行錯誤していて、現実を思い知らされる。地方出身の芸能人の少ないことを。都会に出るにはお金がいる。また都会のコネもないので、都会生まれのコネ持ちには勝てない。都会の強い者、強い芸能事務所、強い広告代理店、強いテレビ局、強いスポンサーに媚びを売らなければならない。

「少女なら嫌なサービスも汚いおっさんにしないといけないだろうに、それでもみんな、芸能人やアイドルになりたいのね。不思議だわ。」

 自衛官で国民を守っている麻衣からすると不思議な話である。

「zzz。」

「ガオー!」

「トリックオアトリート!」

「暴れまくるぞ!」

「こいつらも不思議だわ。」

 こういう行き場のない連中が渋谷のハロウィンで暴れているのだろう。

「1県1話なら、もっとストーリーを描けるんだろうけど、各県のジャパロボとパイロットを決めるだけで尺が精一杯だ。もしも、次に設定を決めるとしたら何かしら? 予選の対決ルールかな?」

 少し余裕があるので麻衣は創作の第三段階に移る。

「山口県なら、河豚刺しの出来を競うとか? 秋吉台のカルデラで暑い中最後まで耐えれた人が山口代表とか?」

 ジャパロボの山口代表を決めるだけでなく、これならアイドルの都道府県47を決める時にも使える・・・・・・たぶん。

「違うな呼称とかルールじゃないな。多感な10代だから、読者や視聴者の共感を得るためにも身近な日常を描かないとダメだわ。」

 麻衣は悩み込む。

「例えば、家にお金がなくて、ジャパロボ大会で優勝すれば賞金がもらえる。家族のために戦うとかかな。ボンビー話にレゾナンスして涙が出てくる。」

 意外に涙もろい麻衣。

 つづく。

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