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「来た」
「あっ」
「よお。ひさしぶりだな。ちゃんと寝てるか?」
「会いたかったわ。最近は研究も楽だし、寝れてる」
「よいしょ」
「車椅子。押すぜ?」
「ありがとう。助かるよ。身体のほうは?」
「今日は、右目が見えないだけだ。会えてうれしいぜ」
「僕もだよ」
四人。
集まって。
「さて。俺とこいつは、仕事がある。会って早々わるいんだが、ふたりとも適当な切符を買って、この街を離れてくれ」
「え」
「僕からも、おねがいするよ。僕たちの仕事の関係で、君たちがこの街にいると、色々とまずいんだ」
「そう、なのか」
「うん」
「わたしは、残ります」
「おい。ばか言うな。お前がいると、俺が集中できねえんだ。街を出ていけ」
「いやです。どうせ、あなたは自分を犠牲にして、街を守ろうとする。そんなこと、しても。救われないわ。わたしが」
「君も、残るのかい?」
「あたしは、出ていくよ。あんたの心に。迷惑をかけたくない。それに。あんたの、その。前の嫁さんは、事故で死んだんだろ。あんたの目の前で。だから、あたしは、あんたに心配されないように、そういう、なんつうか、あんたが安心できる、ところにいるよ」
「ありがとう。大好きだよ」
「あたしも好きだよ。あんたのこと。仕事。がんばれよ。待ってっからな。おい。行くぞ」
「待って。わたしは残る」
「だめだ。迷惑をかけんなよ」
もうすぐ、この街に。
ミサイルが落ちる。
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