『ラグナロク』
ファンタジーと言っても、「すべて新しい」世界像を創り出すのは容易ではありません。どの物語にもだいたいは「基礎となる物語」や「世界観」があると思います。
『ラグナロク』はタイトルからも北欧的な元の要素があることがうかがえますし、「話す剣」という要素もファンタジーとしてはある種王道ですね。様々な要素を合わせて、骨太な設定に仕上げた、そんな物語です。
主人公が豪快なので話も楽しく進んでいくのですが、戦闘シーンはかなり想像力を必要とします。強いだけじゃなくて、主人公は翼が生えたり特殊な能力が発動したりしますからね。読む分には楽しいのですが、「書くのは難しそうだなあ」と思ったものです。
ヒロインが冷徹だったり、彼女に多重人格の妹がいたり、でっかい狼をつけていたりとここら辺も大変良いです。作者には「設定の嗅覚」みたいなものがある気がします。
どんどん話が広がっていくのですが、完結はしていません。と思ったら、最近また書き直したり新刊が出たりしているようです。
ライトノベルでこういうのが受賞して連載されるんだ、というのが励みの一つだったのですが、作者曰く「遅筆と、書いたものが到底ラノベとはいえない」(作者のツイッターより)ため編集部からは離れることになったとのこと。なかなか難しいですねえ。
安井健太郎『ラグナロク』(1998-2006)スニーカー文庫
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます