『スレイヤーズ』
中学生の頃、ファンタジー小説を多く読むようになったものの、途中で挫折してしまうものもありました。特に色濃くTRPGの影響を受けた作品は、「お決まり」の設定に慣れず、その世界に没入できないことがあったのです。
そんな中、とにかく楽しく読めたのが『スレイヤーズ』です。もちろんTRPGの影響を受けてはいるのでしょうが、なにより主人公の個性の強さがまずあること、そしてきちんと登場人物が意味を持って登場して説明されることから、読んでいてストレスがありませんでした。
主人公が「強くて正しくない少女」というのもよかったです。「少年が勇者になっていく物語」も飽和気味で、そういう作品ではせっかくのファンタジーの自由な世界設定を生かせていないように感じていました。ノリのいい文体で書かれているものの、本作の設定はかなり作りこまれています。相棒のガウリイも、頼りなさげで頼りになる青年というキャラは面白かったです。
だんだんパーティが増えていく、大きな敵と戦うことになるというのはお決まりの展開ですが、同時進行の短編集もあったので「お決まりだけじゃない作品世界」というのも感じられるようになっていました。
なにより作者の書くスピードが速いので、「どんどん出てどんどん読む」というライトノベルの楽しみ方が最も感じられる作品でした。同級生でも多くの人が読んでいました。「世界史のテストで『アメリア』と書きそうになった」などのエピソードは日本中であったのではないでしょうか。
神坂一『スレイヤーズ』(1989-)富士見ファンタジア文庫
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