農家だった俺が異世界転生したんだが

青空ハル

農家の異世界転生

翔「ふぅ、今年の米もいい出来だ。」


 この俺、天草翔は現在農家を営んでいる。大学を卒業した後は王手企業の会社に入社した。しかし、そこはいわゆるブラック企業だった。入社してから半年で精神的に病んでしまい退職、その後は親父が営んでいる農家の手伝いをして送っていた。正直農家の方が自分には合っていたのかもしれない。ちなみに彼女はいない。


父「おーい、次の米運ぶの手伝ってくれー」


翔「ちょっとまってて、この機械しまってから手伝うから」


父もだいぶ腰に来ているようで最近は俺をよく頼ってくれている。少しは親孝行とやらをしているようでちょっぴり嬉しい。


翔「よし、これで大分片付いたぞ。」


そう思っていた矢先に地震が起きた。


バギバキ

建物の中に入っていた俺は建物が崩れて下敷きになってしまった。


父「翔大丈夫か!今救急車呼んだからそれまで持ち堪えてくれ!父さんが近くにいるからな!」


翔「お や じ、、、」


それが、親父との最後の会話になってしまった。「あーあ結局親孝行出来ずに人生終わってしまった。」


そこはただただ広いだけの白い空間が広がっていた。


後悔と申し訳なさでその場で泣き崩れてしまった。


一通り泣いた。いっぱい泣いた。再び周りを見渡してみると、そこに神様と思えるほど美しい女性が立っていた。なんで今まで気づかず泣いていたんだろう。


翔「あの、ずっと見ていたのですか?」


神様「えぇ。」


翔「すいません。死んだときのことを思い出して泣いていました。かっこ悪いですよね。」


神様「そんなことはありません。あなたの最後を見ていましたが悲しんで当然だと思います。むしろ、その感情はあなたにとって大切なものなのではないのですか。」


翔「そうですね、とっても大切なものです。」


神様「そうですか。その心の優しはあなたの長所ですね。」


翔「いえ、そんなことはありませんよ。それよりこれから俺はどうなるのですか?」


神様「あなたには2つの選択肢があります。1つは天国に行って無となること。もう1つは新しく生まれ変わって別の世界に行くことつまり転生ですね。」


それってもはや一択しかないのではないだろうか。


神様「翔あなたはどちらに進みますか?」


翔「もちろん転生でお願いします!」


神様「それでは、あなたに1つスキルを与えます。」


スキルってなんだ?


神様「スキルとはあなただけの特別な力のことです。その世界ではとても重宝されるでしょう。」


翔「心の声読まれてるし、、、」


神様「神ですから」


翔「それもそうか。」


神様「それであなたはなにを望みますか?」


これってあれだよな。いわゆるチートってやつだよな。欲しいけどやっぱり


翔「神様俺要らないわ!」


神はキョトンとした顔でこちらを覗いていた。よっぽど驚いたんだろう


神様「本当ですか?これはとても重宝されるものなのですよ!?」


翔「俺には親父に鍛えさせられたこの農家直伝の技術があるから大丈夫だよ!」


むしろそんなものあったって何に使えばいいかわからないしな


神様「あなたは本当に、、、はぁ。では、前世の記憶はそのままということではいかがでしょう。」


翔「そっちの方がありがたいです。」


神様「では、転生しますのでそちらの世界でも頑張ってくださいね。」


翔「わかったよ神様。いろいろありがとうございました。」


神様「それでは行きますよ!」


温かな光に包まれてどこかに飛ばされた。これから新しい世界でも農家できるといいけどな


一話終了







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