火を貸して


 ある時、木星が煙草をくわえ、火星に近づいてこう言った。


「すみませんが、ちょっと火を貸していただけませんか?」


 火星が答えた。


「悪いけど俺の所には火がないんだ。火なら太陽に借りなよ」


「そうなんですか。わかりました。そうします」


 太陽に向かう木星に火星が忠告した。


「太陽に行く前に水星で水をかぶって行ったほうがいい。下手するとあんたごと燃えちまうかもしれないからよ」


「は、はい……?!」




                END

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る