不運


 ここは霊界。


 死んで霊になった男が橋の下にいて、なんだかバカに気落ちしている。


 そこに通りかかった幽霊がその男に話しかけた。


「どうしたんだい? そんな浮かない顔しちゃって」


「どうも…」


「どうもじゃなくて、訳を話してごらんよ」


「ここじゃ、わたし商売ができないんです」


「商売が出来ないって、あんた死ぬ前はどんな商売やってたの?」


「靴屋です」


「そ、そうか……?!」




     

                END


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