第45話 想い遙かに~統治神<シ>とミカエル

「もう、よい! 私とヨシュアの息子は、初めから縁が無かった、そう言うことなのだろう」

と統治神<シ>は、悲しそうに言った。


「エカテリーナも離れ離れになっていた兄に会えると、喜んでいたのだが・・・」


 その言葉にミカエルは、複雑な気持ちになった。

 と云うのも、統治神<シ>はエカテリーナを妹ヨシュアの下の子だと思ってずっと育ててきたのだが、エルフィンには弟しかいなかったのだ。

 エカテリーナがヨシュアの子供でないことは、明らかだった。

 確かにルカはいつも、女の子の洋服を着せられていたが、ルカ自身が

「私は男だから、君と結婚できない」

と言って、子供だったミカエルの精一杯のプロポーズの花束を突っ返してきたのだ。

 ミカエルは、生きているのか、死んでいるのか、まったく分からないルカを想い、

やるせない気持ちになった。







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