第14話 ミカエルとエルフィン 第1章 プロローグ

 エルフィンとハンネスは、オスカーの後方支援のおかげで、新しいワープトンネルを見つけだし、地球の光の環と同期し、どうにか地球にまでたどり着くことができた。しかし見つけたワープトンネルは、あまりに細く、通り抜けるためには、せっかく用意した装備も捨ててこざるを得なかった。


 二人はたどり着いた場所が地球のどこなのかさえ分からなかった。


「なんとかなるさ。俺達にはフォースがある」

とハンネスは言ってはみたが、しかしエルフィンは、まだ病み上がり状態なのに、ワープトンネルを抜けるためにかなり無理をしたため、調子が悪そうだった。


 ハンネスたちがたどりついた場所は、多くの人が行き交う街中だった。


 ハンネスはエルフィンを支えて歩きながら、注意深く周囲を観察していた。そしてあるものに、気づいた。

 「光の泉」という名前の宗教団体の広告である。

 アトランティスの四神戦士のひとり、ミカエルの顔はハンネスでもよく知っていた。広告には、ミカエルの顔がなぜだか印刷されていた。


 統治神<シ>の右腕ならば、きちんと説明すれば、助けてくれるのではないか・・・、とハンネスは思った。エルフィンは少なくとも、統治神<シ>の妹ぎみの子供である。死んだことになっている王子ではあったが、アトランティス王家の血を引いている。エルフィンはかなり無理をしたせいで、つらそうだった。

 安全な場所で、休ませなければ・・・、とハンネスは思った。





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