202010 ジャパロボ チーム祐奈2-1

渋谷かな

第1話 チーム祐奈2-1

「これより第5回全国ジャパロボ大会の各地方予選の報告会を行います。」

 麻衣がいつものように議事進行を行う。

「麻理子!? なんでおまえがいるんだよ!?」

「わ、私も祐奈教官の指導を受けるように言われました。」

 元々東京都所属だったマ麻理子。しかし東京都のジャパロボ開発機関やパイロット強化研究所が自衛隊に吸収されたことにより、麻理子は憧れの祐奈の元に所属することになった。

「祐奈教官は、おまえなんかに渡さないからな!」

「わ、私も負けませんよ!」

「おまえたちは何を競い合ってるんだ?」

 ライバル心を燃やす優子と麻理子。

「祐奈教官は私のものだ! なんたって私は祐奈教官の愛機、エンペラーの整備も担当しているのだからな。装備させた架空の兵器を全て強い意志で使いこなす! まさに祐奈教官はメカニックのためのおもちゃだ! ワッハッハー!」

「久美ちゃん、悪乗りしない。」

「こ、こいつ、殺しましょうか?」

「一緒にやろうか。」

 虚無の久美もジャパロボの話だけはやる気を発揮した。

「祐奈教官も何とか言ってくださいよ。」

「zzz。」

「・・・・・・やっぱり寝てるのよね。ガクン。」

 祐奈はこういう人間である。

「す、すごい!? こんな騒がしい環境でも体力回復のために眠り続ける!? なんという環境適応力なんだ!?」

 麻理子は祐奈の能力の高さに感動した。

「私はジャパロボの性能を4倍発揮できるように400パーセントまで引き出すことに成功したぞ! 私が祐奈教官をお守りするんだ!」

「な、なによ!? それがどうした!? 私だって、都庁01改から自衛隊04改に乗り換えたんだからね! 直ぐにあなたなんか抜いてやる! 強化人間なめるなよ!」

「久美、暇な時間に久美ちゃんジャパロボを作ったの。歌も歌えてダンスも踊れるの。可愛いでしょ。アハッ!」

 祐奈が寝ているので、自由奔放なチーム祐奈の隊員たち。

「欲しい! こいつらを黙らせて、会議を始められるだけの力が! 私は欲しい! 何かないか? 何か武器は何のか? あった! これだ! 伝説の武器だ!」

 メンバーたちにストレスの溜まった麻衣は伝説の武器を探し当てた。

「いでよ! 100トン・サンマー! くたばれ! おまえたちー!」

「ギャアアアアアア!? 人殺し!?」 

 麻衣は100トン・ハンマーではなく、100トン・サンマーを習得した。

「ピクピク・・・・・・。」

 優子、久美、麻理子は動かなくなった。

「ということで会議を始めます。全国を8ブロックに分けて、各県の代表者の報告、分析を行って行きます。」

 司会進行役の麻衣がいなければチーム祐奈は崩壊していただろう。

 つづく。

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