第一章 クリスマスも残業だ!
第1話
西暦2020年12月24日 P,M5:54
世間はクリスマスイブでにぎわっている中、1人の男がとあるビルのオフィスのデスクで寂しい夕食を済ませたところであった。
男の名前は
しがない会社員である。
久我峰が務めているのは「株式会社 FCO攻略社フラワーガーデン」である。
何の会社かと言うとゲームを攻略するための会社。
それもただ一つ、「フロンティア・クリエイション・オンライン」と言うゲームを攻略することが目的の会社なのだ。
フロンティア・クリエイション・オンライン、通称FCOは世界初の完全没入型のMMORPGとしてリリース前から注目されていた話題作だった。
現代の技術では不可能な完全没入型のゲームをデバイスとセットで開発されているという情報が流れてから2年、世間ではデマだったという噂も消えかけた頃に正式にリリース発表が行われた。
開発元にも謎の多かったこの情報は裏にアメリカの某基地が関わっているのでは、という憶測なども飛んでいたが世界中のゲーマーが期待したのが事実であった。
そして、正式リリースされた時、初日にもかかわらず世界で3000万人がプレイを始めたその日に明かされたのであった。
FCOの開発も運営も「ミーゴ」を名乗る宇宙人だということを。
その事実に多くのユーザーが「あっ、やっぱアメリカかぁ。」と思ったそうな。
しかし、アメリカの公式発表は「無関係。」の一言で終わっていた。
あまりにも優れた夢の技術の完成品を目の前にしても誰も自分の手柄にしなかったのだ。
結果的ではあるが世界は宇宙人の実在と干渉を認める事件が起きた。
UFOである。
UFOが世界にいくつも現れてメッセージを残して行ったのである。
「FCOぉ~シロォ~」
と。
それからというものFCOが宇宙人に作られたということは世界で認められたのだ。
そうして世界的に多くのプレイヤーが参加し始めた。
インフォメーションにあった事柄が真実だと認めたうえで。
しかし、ゲームの対戦で宇宙人を満足させられなければ地球が侵略されるかもしれないことに危機感を抱くものがいた。
はたまた勝利できれば宇宙人の未知の技術や資源を手に入れて一獲千金を目指すものもいた。
それらの意思は絡まり合い、利害関係からFCOの攻略に出資するものが生まれたのである。
そうなれば事業としての成り立ちは可能である。
利益がいまだ保証されていないけど、
脅威は確定していないけど、
それでも無視できないからこそ誰かがやらねばならなかった。
世界にはいくつかのゲーム攻略会社が生まれたのは事実である。
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