第11話 その成果には……ガッカリだ!
ビリビリと薄い電極が走るような刺激を受け、アディーベルトは目が眩むように感じて、本能のまま瞼を閉じた。
「─────ッ!」
悲鳴のような断末魔のような気配のような、何とも言えない奇妙な感覚が突然消えると、ふわりと身体が軽くなった気がする。
まさか──そう思って目を開けると、景色はまるで見違えたかのように鮮やかに澄んで見えた。
「で…殿下……あの……これ、は………」
「その『殿下』も禁止です!」
アディーベルトが呆然とあたりを見回しながら問いかけると、聖女様からビシリッと指を突き付けられた。
「…で、でも……登殿された聖女殿下様は、こう呼ぶのが習わしと……」
「『習わし』『習わし』と、ウザい!ジジィか!」
「で、でもぉ………」
聖女で伯爵令嬢であるロメリアに対して、神殿近衛兵といえどアディーベルトは平民にも近い貧乏子爵の子息である。
神殿に勤める者の規律か、身分違いによる敬称を改めるかのどちらかを選択せざるを得ないという状況になるとは思いもしなかった。
「名前に『様』付けのみ許可!受け付けます!それ以外で呼びやがったら、今この場で従属を解除し、帰殿の上で自室待機を命じます!」
「横暴だぁぁぁぁぁ───!!」
「うっさい!私はそれほどガッカリしてるの!!」
「………え?」
見ればロメリアはその台詞をよく表現するように、両手両ひざを地面につき、首を項垂れていた。
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