詩集 リプレイ

01 リプレイ

「百年の思いが、貴方を蘇生させる。

　世界を救うため、犠牲になった勇者がいた。

　残された人達は、勇者がいない世界で悲しんだ。

　これは、ノーマルエンドをハッピーエンドにするための物語。

　彼らはきっと忘れない。

　自分達を救ってくれた、一人の英雄を」

　歩き出した　過去に背を向けて

　託し願った思いが　たとえ私しか知らないものだったとしても

　求める気持ちだけが　愛の証明じゃなくて

　尽くす想いが　力になる

　橋をかけて　向こうへ走る

――何度　同じ道を通っても　助けてくれますか？

――私はただ　次に向かうあなたへ　託すことしかできない

　隠した　過去が傷を焼いていく

　悲鳴をあげた　誰も気づかなかったから

　都合よく　消えてくれない　あやまった思い出

　でも　気付いたから　もう見つけたよ　

　この手から　あの時つかめなかった分

　またつないで　走りだす

　さあ　急ごう　待ってるはずだから

――たとえ傷つくとしても　たとえ涙を流すとしても

――たとえ同じ痛みを味わうとしても　またここに戻ってきてくれますか

――この世界は　あなたを忘れない

「きっとあなたは、やり直せたとしたも私達を助けてしまうでしょう」

「だから私達も、あなたと同じことをします」

「あなただけを安らかに眠らせたりはしない」

「願うのは、皆が笑うハッピーエンド」

「さあ、行こう皆。彼をとりもどしに」