第2話

 俺は閻魔に、天国行きを告げられた。でも俺が選んだのは『死神の遣い』。天国は選ばなかった。


 理由は二つ。


 一つは、天国は禁煙であること。喫煙所はあるが、全面禁煙とのことだった。


 俺は愛煙家だ。ジッポを持っているが、マッチも好きだ。煙草に火を点け、吸った一回目の香ばしさがいい。


 二つ目は、飲酒は午後十時以降であること。それも場所が定められているらしい。




 ふざけんな。天国だろ?自由じゃねーのかよ。




 煙草とコーヒーはモーニングセット。空気の澄んだ朝の公園で。そこから始まる一日は気分が良い。


 煙草とビールはイブニングセットだ。ベランダから夜空を見上げ、ぼーっとする。宇宙の色した空に光る星は良いつまみだ。

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