02



 事情はよく分からなかったけど、僕達は色々な手違いで間違って召喚されてしまったらしい。


 最初は、色んな人から勇者様勇者様ってすごい言われてたけど、次第に静かになっていった。

 見た目に反して、実はすごい力を秘めているのではないか、みたいな目でみられたけれど、魔法なんて使えないし、特殊能力もない。重い剣なんてふりまわせないし、鎧だって着られない。


「で、では。本当に勇者様ではない?」

「うん」

「あたりまえじゃない」


 そんな問答の後、同じ人を二回ほど床に這いつくばらせた後。僕達はお客様として、部屋に案内された。


 勇者召喚が行われた場所を出ると、豪華な廊下が続いていた。


 飾られている絵とか花瓶とかは、なんかすごいぴっかぴっかで、お金持ちが住む場所といった雰囲気だ。


 案内してくれた人に、


「ここはどこですか」


 と、聞いたら王宮と答えられた。


 お金持ちの中のお金持ちが住む場所だった。


 びっくり。


 とりあえず僕達はお客様として、当分ここに住んでいいらしい。


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