第9話 2020 11 22(ループする話し)

突然ですが、元の職場に戻って歩いて出勤するようにしていました。

秋になってからは天候が安定しないので、車になってしまいましたが、

ここ最近はまた天気も落ち着いてきたので、歩いて出勤しようかなと思うております。


出勤ルートはわざと遠回りに歩いて、だいたい1時間くらいは歩くかな…

いつか母が言っていた、猫の通り道のような通りを歩いて会社に向かう。

時折、猫の通り道から大通りに出るところを、車通勤の会社の人に見られたりして、

その人と更衣室で会うと、(あんな所から出てきて何してたんだろう?)みたいな、不思議な顔で見られたりする。

見られるのは構わないけど、更衣の時はやめて欲しい。

着衣してからにして…


猫の通り道には名前の知らない草花が沢山生い茂っていて、朝露に濡れている。

草花が朝露に濡れてキラキラ光っているのも綺麗だけど、草花に張られた蜘蛛の巣に朝露が光っているのはもっと綺麗。


動植物を見ていて、誰に教わったんだろう?って事は沢山あるけど、

蜘蛛の巣はその最たる物の一つだと思う。

格子状でも良かったはずなのに…

もしかしたら蜘蛛も他の形に作りたいのに、作れないのかも知れない。

ハートとか星型とか、もっと個性を主張したのに遺伝子に縛られて、

あの形しか作れない呪縛に囚われているのかも知れない。


まぁ、ハートとかを作りたいと思っている、アーティスティックな蜘蛛はいないだろうけど、

蜘蛛にも性格はあると思う。

各辺の長さがきちんと揃っている巣の蜘蛛もいれば、各辺の長さがバラバラで何やらいびつな形の巣の蜘蛛もいる。


巣を作った場所のせい?

いいえ、そんな事はありません。

試しに几帳面な蜘蛛と、ガサツな蜘蛛の巣を壊して、観察してみようかと思ったけど、

試してないから、やっぱり巣を作った場所が一番の要因なんでしょうね。きっと。


夏場はいくら朝早くても、歩けば滝のように汗が出る。

世間を賑わせているウィルスのせいで、会社のシャワー室は使えなくなってしまった。

汗をかいたまま仕事に入るのだけど、昔ほどベタベタしない。

たぶん、汗にも何の養分も入っていないんだと思う。

若いエキスの入っていない汗。


歳を取るのは悪い事ばかりじゃない。

元気が無い方が、元気な自分に振り回されなくて済むから、

楽と言えば楽。


でも最近、元気。

歩いて出勤していたせいかしら?

それとも元気だから歩いて出勤する気分になったのか。


秋になってからは天候が安定しないので、車で出勤していましたが…

ここ最近はまた天気も落ち着いてきたので、

突然ですが、元の職場に戻って歩いて出勤するようにしていました。



……ループする。

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