乙女の恋愛もゲーム感覚で(バシリス・クライム)

おとゲーのこうりゃく方法って知ってる?」

 

 それをげんえき男子高校生に聞くか、つう

 おれことさいサイタはろんな目になる。目の前にいるイケメン女子であるララがけいたいゲーム機片手に困っているのだ。

 なんかぬるぬる動く絵がこわい。Live2Dとかなんとか。よくわからんが、現代技術は二次元に対するちょうせんの姿勢がやばいな。

 

「というか、やるんだな」

「カノンがおもしろいからって。ってるって」

 

 こんわくした表情のイケメン女子は、大勢の美形がこちらをほほんで見てくることに慣れていないようだ。

 

「ちなみに攻略対象は?」

 

 残念なことに友人のえいきょうである程度はくわしい俺。

 一人ずつやっていき、コツをつかんだらハーレムルートやバッドエンド回収するんだとか。

 まあゲームによっては異なるらしいけど。そこまでは知らん。

 

「この……小さいの」

 

 なんかみょうに引っかかる言い方だったが、指先で示されたキャラクターをながめる。

 活発系な少年で、運動部に所属らしい。しかし他の美形と比べて、少しへいぼんではなかろうか。

 あと主人公の女の子が普通にわいい。これに自己とうえいできるって、女子はすごいな。

 

「この男の子を落とすには、体力ステータスや料理スキルかくとくひっなんだって」

 

 どうやら主人公を育成し、ステータスやスキルを獲得していくタイプらしい。

 乙女ゲーってせんたく系ノベルゲームわくかと思っていたんだが、今は多種多様なんだろう。

 あとアイドルゲームとか流行ってるよな。妹の一人がストラップ持っていたはず。

 

「で、料理スキル獲得には、現実の知識が必要らしくて……カレー粉をスパイスから作る方法ってなに?」

「まあみずいためとか色々あるけど、難易度高くないか」

 

 普通にカレールーを入れてことことんどけ。なんでスパイスから作るんだよ。

 このゲームの主人公「どこにでもいる平凡な女子校生」というキャッチフレーズが、光の速さでげていったぞ。

 しかも調べたらルートによってはおうかくせいとか、前世は天使とかこんとんとしているが……だいじょうなのか。

 

「このゲームは難しい分、神シナリオが多いんだって」

「へー。ちなみにタイトルは」

 

 ――ときキスG*G「君が選ぶ運命の人+」

 

 リメイク版だとか、ごうしょかいばんという点に関しては横に置こう。

 俺、このタイトルめちゃくちゃ知ってんだけど……乙女ゲーにも手をばしたのかよ。

 ちなみにG*Gはガールズサイド*グレードディスティニーの略らしい。SとDがけている気がしなくもない。

 

「じゃあ攻略付き合ってね」

 

 断れきれなかった俺は、地底人しんりゃくからの和解ルートでごうきゅうしたのである。

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