第二章 第十話 野草商店のトリッタ、トリュフ草と激レアな野草を探す……!?

『アイマイモ湖周辺の土地』をぐるっとプレートに乗って回ってみる。するとアイマイモ湖の水辺に出た。そこには、野草がたくさん自生している。


「こ、これは……!」


【『ワサワサ草』×10、『ワサワサ草の根』×5を、みつけた!】


「かなり高級な薬味になる野草だ……! 匂いも良いし……!」


 そして、それから『プレート』で少し場所を移動した。

 すると、違う野草が自生している場所を見つけることができた。


「こ、これは……!」


【『黄色いピリピリ草』×5、『青いピリピリ草』×1、『赤いピリピリ草』×1を、みつけた!】


「これは、香辛料としても使える野草だよ……! 匂いも爽やかだし……!」


 それから、しばらくアイマイモ湖の周りをプレートで回ってみたが、激レアな野草も、『トリュフ草』すら生えていなかった。


【全部で、『ワサワサ草』×10、『ワサワサ草の根』×5、『黄色いピリピリ草』×5、『青いピリピリ草』×1、『赤いピリピリ草』×1を、みつけた!】


「あーっ……! 良い野草が結構とれたなァ……! じゃなかった……!」


『トリュフ草』も、激レアなウルトラハーブをすら、全く見つかる様子がない。

 あの時の若覇者が脳裏によみがえるようだ。


「もしかすると、今回の勝負は負けるかもね……! 『マズイうお』しか釣れなくなったと思えば、『マズイうお』指定になったし……!」


 考え過ぎだろうか。


「意地悪だよなぁ……!」


 悪く考え過ぎだろうか。


「……もしかすると、若覇者はこのために、この『アイマイモ湖周辺の土地』を賞品として……?」


 私は、否定するように頭を振った。

 何故、若覇者を悪く思ってしまうのだろう。

 賞品はよいものだったのに。


「やっぱり考え過ぎだ……! 結局、エッセルバートが『カラス・ガイン』シェフに喧嘩を売らなかったらこんなことにはならなかったもの……!」


 けれども、元をたどっていくと、必ずあのメモにたどり着く。


「でも、よく考えると元を正せば、あのメモのせいで……! メモにいたずらした犯人は、いまだ見つからないし……! しかも、『マズイうお』しか釣れないせいで試作品らしい試作品が作れない……!」


 黒幕がいるとしたら、捕まえることができるのだろうか。


「一刻も早く、あの、『マズイうお』のくさみを完全に抜くためのを手に入れなければいけないのに……!」


 結構、良い野草が手に入ったのに、それだけでは勝ち目がない。

 一刻も早く、超レアなウルトラハーブを手に入れなければ……!


「嗚呼……! 超レアなウルトラハーブが自生している場所かァ……!」


 その時、脳裏に誰かが横切った。


「そ、そうだよ……! あのゴスロリ少女に訊けば良いんじゃないかな……!」


 しかしながら、一筋の光が差し込んできたと思ったが、あのゴスロリの少女の名前も素性も知らない。


「でも、また『ウラノウラハオモテ山』に行って探してみる価値はあるかも……!」


 一縷の望みにかけて、私はゴスロリ少女に会うため『ウラノウラハオモテ山』までプレートに乗って探し回った。


「やっぱり、いなかった……! ゴスロリ少女、いなかった……!」


 しかし、その目論見は見事に失敗に終わったのだった。


「はぁ……! 他に激レアなウルトラハーブを教えてくれる人を探さないと、無理だ……!」


 しかし、野草商店の社長の私でも知らないのに、他に知っている人なんているのだろうか。


「無理でも……? 野草なら無理でも……何Gか出して、買えたとしたら……!」


 他愛のない溜息と一緒に出た呟きだった。

 私は、そこで、ハッと我に返った。


「えっ? ……?」


 私は、原点に気づいた。

 のだろう。


「野草なら無理だと、買うしかないか……?」


 私は、頭上から降り注ぐような光に気づいた。

 そして、私はすぐにその場所に向かったのだった。

 

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