第1話 草原

ピピピ・ピピピ・ピピピ!!

ゴソゴソ・・・ゴソ・・・

「うーーーーーん」

スマホのアラームにめいっぱいの伸びで答える

「はぁぁぁーーーん」

あくびをしてベットから起きる

7時25分

朝の支度を始める

歯磨きをして作業着に着替えて荷物を持つ

一連の流れを約20分で済まして玄関に向かう

「いってきま~す」

誰もいない部屋に言葉を残して

扉を開けた。

・・・

「?」

・・・

「??」

あれ?

・・・

なんか違う??

外が・・・

外が・・・・

草原!!!

一回扉を閉める

「いやいやいや」

まいったな~まだ寝てるみたいだ。

夢でまで仕事の夢みるとか・・・

「最近忙しかったしな、こんなこともあるな!」

さて起きましょ!!

・・・

起きましょ!!!

・・・

あれ?何もおきない??

これは・・・

「まさかね・・・」

こんな夢みたいで実は現実です!!

みたいなベタな展開・・・ある??

これは・・・

パニック!!ただただパニック!!!

「待って待って!!」

ベランダを見る

そこには普段の街の風景

「だよね?」

ベランダを開けようとドアを引く

しかし

まったく動かない。

「うーーーーん!!!」

全力でドアを開けようとするが開かない

「はぁ、なんだ??これ!?」

鍵がかかってるわけでもないしどこかが挟まって動かないわけでもない

「マジか!?」

もう一回玄関に戻りドアを開ける

このドアは簡単に開く

そして

・・・・

草原

「・・・・・・」

カチャ

ドアを閉めた

(やばい、本格的にやばい。これ・・・やばい!!)

思った。

ついにおかしな妄想に囚われ始めたと・・・

病院にいかないとなぁと・・・

(終わった・・・俺終わった・・・)

パサ

郵便受けから封筒が落ちてきた

「ん?」

宛名も宛先も何もない封筒

とにかく拾い上げて中身をすかす

すると何かが入っている。

なんか感覚がマヒしているのか封筒を何も考えず開ける

『鈴木武さま』

『武様にはたくさんの世界を救いいただき誠に感謝しています』

『今回はそんな武様のお力すべてを借りたいと思いその体、知識、経験すべてをこの世界に招待させていただきました』

『武様のお力でどうかこの世界をお救いください』

・・・

はぁ?

なにを?これは?

あ・頭が追い付かない・・・・

ガタン

また郵便受けから封筒が落ちる

とりあえず拾う前にドアを開ける

しかし

草原

・・・誰もいない

(てか、これホラーじゃね?)

気味が悪くなりながらも封筒を拾う

今度は少し重い

開けると中にはスマホのような端末

そしてまた手紙

『武様が普段見ているようにステータスを可視化できるように端末を準備しました』

『起動と同時にあなたの体と同期されます』

『あなたの活躍を期待しています』

・・・・・・

本格的にこれは・・・

重症か???

わけがわからないまま立ち尽くす

(現実にこんなこと・・・)

しばらく呆然としてソファーに座った

スマホを確認する

7時45分

時間が止まっている

外も景色はいつも通りだが人の気配はなく静かなまま

なんか、違う空間に閉じ込められたような感じ・・・

テレビ、PCを確認するがつながらない。

(はぁ、夢ならさめてくれよ!!)

ふーーー

深く息をして目を閉じた

1・2・3

カウントをして目を開けた

・・・

さっきと変わらぬ風景・・・

もう受け入れるべきなのか?

これは現実と・・・

パサ

また玄関で封筒が落ちた

拾い中を確認する

『武様へ』

『ご理解いただきましたか?これは現実です。』

『そして、この世界はあなたの力が必要です。』

『その扉を完全に出た瞬間から世界が切り替わります。』

『戦闘や生活に耐えれるようにご準備いただいてから扉を出てください』

『健闘を祈ります。』

これはもう・・・

「よっしゃ!!わかった!!もうわかった!!!」

な心の中でなにか振り切った

「あれなんだな?これが異世界召喚?みたいな?」

あえて大きな声を出す

「なんか女神とかかわいい女の子とかの招待じゃなく手紙でサクッと!!!」

いいながら部屋を回る

「いいよ!わかったよ!!準備しちゃうよ!!いっちゃうよ!!」

大きなバックを取り出し中に物を放り込む

作業着、下着(多数)、ライターあるだけ、カッター、ハンマー、包丁

水(2Lペットボトル×2)、ブランケット・・・

なんか冒険で使いそうなのを何となくで入れていく

最後に端末を入れて

「よし!!準備しちゃったよ!!もう行っちゃうからね!!」

なんか切れ気味に誰かに話しかけたが誰もいない、反応もない。

「はぁ~」

一旦、息を吐き玄関に立つ

(どうせカンスト人生だったんだ!!これが夢でも現実でももういい!!)

雑な扱いには慣れている!!!

「しゃ!!」

気合を入れて扉を開く

そして、外へと踏み出した。

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