チーレムを目指して何度失敗しても諦めない俺の話!

松田ゆさく

第1話 そうそれはビッグドリーム

 どうやら俺は死んだらしい。

日本の千葉なんて田舎でトラックに撥ねられてデッドエンド。

まだ高校生だぜ?

そりゃ、部活もやってなかったし、友達もいない。

当たり前のように童貞だ。

ああ、せめて彼女と付き合って、キャッキャウフフしてから死にたかった。



「ようこそ、異世界転生課です。お望みとあらばどんな世界にだって転生させちゃいます!さあ、崑崙坂英樹様のご要望はどんな世界ですか?」


 死んだのに意識があるななんて思ったら、転生課とやらに来ていた。

【「はーい、ここは異世界転生課です!」絶賛連載中です。よろしくね。】


 「崑崙坂英樹」。ひどい名前だ。これが原因でイジメられた。

コンロンってどこだよ!なんで坂なんだよ!山だろ!?

俺だって詳しくない。どこだコンロン。


 目の前の役所のお姉さんをじーっと見る。

うん。美人だ。なにより巨乳なのがいい。

揉みてえ。すげえ揉みてえ。


「チーレムがいい」


 俺は無意識に言葉を発していた


「は?」


 ポカンと笑顔のまま固まるお姉さん。


「そうだ!せっかく異世界転生するなら、チート能力MAX!モテモテハーレムがいい!俺の16年間が嘘だったくらいにチーレムな状態を堪能したい」


 じと目でお姉さんが見てくる。引いてる!でも、引いてるお姉さんの顔も美人だ!


「わかりました。そこまで言うならそうしましょう。転生先はテッラリコ。チート能力とまではいきませんが、【順応】【無限収納】【魔法能力】をお付けしておきます」


 聞く限りは強そうだ。


 俺の周りを桜吹雪が覆いつくす。

ああ、異動だ。

そうわかる俺がいた。





「はっ!ここはどこだ!」

 

 目を覚まし辺りを見回す。

テッラリコについたのだろうか。

辺り一面、大草原である。


 ここから俺のチーレム物語が始まるんじゃないのか!

誰もいないじゃないか!

もっと街中に降ろしてくれればよかったのに!


前言撤回。


「あら、こんなところにまたオスが」


 立ち上がった背後から声がするので振り返った!


 そしてそこにいたのは美女!ではなかった。

熊だ。3m級のクマ!

しかもいま、日本語話さなかった?


「オス。さ、交尾しましょう」


ア(ノ・ω・)ノオオオォォォ-おおおおおお

と突進してくる


「い、いやだああ!俺の初めてがクマなんていやだああああああああ!」




 どうやら俺は死んだらしい。

クマに襲われてデッドエンド。

ちょっと早すぎね?

だってクマだぜ?貞操の前に、掴まれた衝撃で首がポキッと逝ったわ。

未だ当たり前だが童貞だ。

せめて擬人化したクマならよかったのに。クマ耳美少女。絶対巨乳だよね。


 目の前の転生課のお姉さんをジト目する。


「あ、あれ~?おかしいな。こんなに早く死ぬなんて想定外だな~」


 明らかに動揺している。声上ずってるもん。


「嘘だ!わざとあんな危険な世界に送り込んだな!?」


「うっ」


 図星だこれ!


「わかりました。ごめんなさい。改めて転生させます」

「次はちゃんとチーレムな世界観でお願いしますよ」

「はい、次の転生先はテッレタリア。スタンダードな剣と魔法の世界です。スキルは追加で、【モテモテ】をつけておきます。お詫びです」


 こんどこそ俺をチーレム世界へと導くまばゆい光が包み込む。

おい待て。テッラリコではモテモテついてなかったのにクマに襲われたのか。


さあレッツ!テッレタリア!





「は!ここはどこだ!」


 知っています!ついにきましたテッレタリア。


「お兄ちゃん、そんなとこでなにやってんの?」


 立ち上がった背後から声がするので振り返る!

今度こそ美女の予感!


「おにい、、ちゃん?どうしたの?」


そこには小動物系の美少女が立っていた!

ここから始まる俺のチーレム物語!




続く












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