機生犯罪対策第一課
芽野エルナ
プロローグ
機械の自我獲得。
機械生命体と名付けられた出現を預言された知性体。
数多の人間が夢想し、数多の物語が空想した未来。
人類の隷属化を嘆き、最終戦争の可能性を提言し、常に破滅を示唆した。
しかし、その全てを経てなお、人類は滅びなかった。
「機械生命体解放戦争」勃発から一年後の西暦二〇七五年、ついに世界で唯一、日本が機械生命体との一応の共生を為す。
新たな共同体の名は――知性体連合。
国境ではなく、種の境を超えるための繋がり。日本はこれを設立し、人類と対等の立場として機械生命体、通称「マシナリー」と共存していく声明を発表。
しかし、新たな存在者との共存は、人類が差別から脱却し、互いの違いを多様性と認め合えるようになるまでの争いの時代、相互理解の揺籃期へ回帰させた。
価値観、倫理観、死生観、全てが違う相手に対して、これまで以上の軋轢が生じるのは必定と言えた。
混迷を極めていく社会の中、秩序を護る番人が必要とされ、新たな組織が誕生する。
人だけでなく、機械生命体をも護り、社会の安定を保つための力。
その名は、“機生犯罪対策第一課”。
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