僕は自分を知らない
@toipptakosan11
僕は自分を知らない
僕は自分を知らない。みんなもそうだ。自分のことを知っているようで、全く知らない。
自分で思っているよりも無知を自覚していない。
自分のことを知ろうと思ったきっかけはとある漫画に影響されたからだ。内容は言わないが、ジャンルは恋愛ものである。その漫画を読んでどうなったか。心が寂しくなった。漫画の世界に入りすぎて、読み終えた時に側には何もない。静かな自分の部屋だけがある。外も静かで、この寂しさを紛らわすものなんか一つも無い。何かで紛れさせようにも体が、脳が受け付けない。まだ漫画の世界に浸っていたいからだ。今もまだ心が寂しい。この感覚は、たまにある。基本は全て恋愛系の小説によるものだ。もちろん現実での恋をした時もこの感覚にはなった事がある。一番初めにこの感覚になったのは、高校二年生の頃だと思う。好きだった女の子とLINEのやり取りをしていた頃だ。女の子は親が離婚をしたこともあり、よく寂しくなることを僕に教えてくれていた。あの時は、僕が支えになるとクラスメイトによく言っていた。そのくらい好きだったのだ。あの子のためにあの子が笑顔でいてくれるために。やりとりを初めて1ヶ月ほどでアプローチをした。何回か断られたが、3回目でやっと夜に散歩をしてくれた。僕の親は激怒していたけどね。まあ年頃の男の子はそういった親が嫌で嫌で。かくいう僕もその一人だったなって今は思うね。それから23時ごろまでたわいもない話をしていた記憶がある。未成年が夜遅くまで外出していると親は心配だろうね。僕の方は女の子を守るって決意した夜でもあったけどね。ただ決意した翌日からLINEの返信が遅くなった。焦らしているのかなと自分にとっては飛んだ甘々な考えをして、自分に都合のいいようにポジティブ解釈していたよ。まあ2つ上の先輩と仲が良くなったって聞いた時は心が痛かったね。
これが人生で初めて心が寂しくなった時の話。その現象が今進行形なのだ。最近は自分をしっかり知るために脳の本ばかりを読んでいて自分について知った気になっていた。科学的に攻めれば自分は自分をコントロールできるって思っていた。けどその考えも甘かったみたい。やっぱり脳は不思議である。好きな人に好きな人ができた時。恋愛ものの小説の主人公が死んじゃった時。のめり込んだ漫画を読み終えた時。心が寂しくなるのは、僕はいまだに理解しきれない。浅はかな僕は「そんなの彼女作ればいいじゃん。」って言ってくるけど、僕はそれを拒む。理由は簡単で。小説のような漫画のような運命的な出会いをしたいからだ。夢を見すぎているのはわかる。けど事実そうあるがために簡単にというより出会いがないのだ。あったとしても小説や漫画と比べてしまう。現実ではないのに。みんなもそうなのだろうか。きっとそうでない人もいる。漫画や小説を読まない人も多い。はたまた、小説や漫画は読むけれども、そんな都合のいい運命なんてあるわけがないであろうと現実的に捉えてしまう人もいる。僕はそんな人たちをなんで現実と比べるかなと思う。でも、僕もそうなってしまうのかな。僕はいまだにみんなを理解できないし、自分も理解できない。きっとまたこんな悩みはすぐに忘れてしまうだろう。けれどすぐに舞い戻るだろう。そんな自分を僕はこれからも観察するし、対話をしていこうと思う。全てを理解できないにしても自分を知るきっかけであることは間違いないのだろうから。
僕は自分を知らない @toipptakosan11
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます