これからのこと
「創作の傍らで語るもの」の後継として書かれた本エッセイも、今回で最終話となります。皆さまには本エッセイを読んでいただき、また、エッセイへの温かなコメントを下さり、本当に感謝しております。僕は正直にいうと、このエッセイというモノがあまり得意ではなく、その題材についても「読者の皆さまに楽しんでいただいているか? このエッセイを読んで、何か不快に思われてはいないか?」と不安に思っておりました。ですが今は、このエッセイを書いて本当に良かったと思います。自分の書いたエッセイを読んで下さる人がいるだけでもうれしい。心の中がとても温かくなります。だからこそ、「これからも頑張らなければ!」と思いました。自分の作品を書きつづけるために。そして、読者の皆さまにそれを喜んで頂けるように。毎日少しずつ、努力を重ねていくつもりです。自分の思い描く夢が……叶うかどうかは分かりませんが、それでも足掻かないよりはマシ。自分の人生に絶望して、その死を考えるよりはずっとマシです。あとで「ああすれば、良かった」と悔やむよりは、ずっと。
僕は今でこそある程度落ちついた生活を送っていますが、ほんの一、二年前までは「不安」と「焦り」が人生の中心になっている生活、自分の夢が何も叶わない、あるいは、その夢が叶いそうになっても、最後にはそれが破れてしまうような、そんな生活を送っていました。なりたかった市役所職員にもなれなかった。その市役所職員をやりつつ、自分が本当にやりたかった兼業作家の夢も、もう叶えられていない。文字通りの「スタートラインにすら立ってない状態」です。今の生活に落ちつくまでの過程だって……これはある意味、自業自得かもしれませんが、辛いことが山ほどありました。公務員から民間企業に就職の方向を変え、毎日、毎日、町の職業安定所に通って、ようやく見つけた会社に勤められても、様々な事情からそこを辞めなければならなくなった。そんなことが何回も続いた上、挙げ句は精神的に参ってしまい、安定剤の類いを飲まなければならなくもなった。
こいつは、本当に辛いです。心の不安に押しつぶされて、発狂したのも一度や二度ではありません。「自分はどうして、生きているのだろう?」と、両目の涙が延々と流れてくるんですね。それを見ている両親が苦しそうにしている姿も、見ていて凄く辛かったです。今思うと、「あれが本当の地獄なんだ」と思いました。自分の人生に光がまったく見えず、大事なモノがどんどん奪われていく感覚。真っ暗な谷底に落ちていくような絶望感。僕はその絶望感に耐えきれず、自分の命を絶とうとさえ思いましたが、周りの支えがあったことと、僕自身が何より「こんなことに負けてたまるか!」と思い、町の精神科に通いつつも、就業支援のサポートを受けながら、ある派遣会社に登録して、そこが紹介してくれた会社の一つ選び、その派遣社員として働いた結果……これも単に運が良かっただけかもしれませんが、そこの正社員として働けるようになりました。
そのときの感動は、今でも忘れません。仕事自体はやっぱり辛いけれど、僕自身がホッとしたことや、両親もそれを喜んでくれたことに心から「生きていて良かった」と思えたからです。「あのとき、『死ぬ』なんて馬鹿なことをしなくて良かった」と、そう本気で思いました。だから今日も、このエッセイが書ける。自分の思いを文章にできる。それは本当に尊いことで、素晴らしいことだと思います。生きることは確かに苦しいけれど、でも、それだけではないのだと。初めて応募としたカクヨムWeb小説コンテストの短編部門で、自分の作品が中間を突破できたのも、自分の実力というよりは、多くの方の支えはもちろん、見えない何かが「『頑張れ』といってくれたからだ」と思っています。「お前が今まで見てきたもの、味わってきたもの、感じてきたものはすべて、お前の肥やしになる。だからこれからも、自分の信じる道を歩きつつづければ良いんだ」って。そんな風に考えると、この人生も決して悪くはない。
皆さんも、辛いこと、苦しいこと、悔しいことは、たくさんあるかもしれませんが、それをめげずに進んでいけばきっと、その先には希望が待っています。最終話なので少々長くなってしまいましたが、このエッセイが、皆さまの人生に少しでもお役に立てれば幸いですm(_ _)m
自由気ままなエッセイ集 読み方は自由 @azybcxdvewg
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