202010 ジャパロボ 21

渋谷かな

第1話 ジャパロボ21

「ここは任せろ!」

「結子お姉ちゃん!?」

「先に行け! みなみ! 後のことは任せたぞ! 私たちの様に恵まれない人々の希望の光になるんだ!」

「結子お姉ちゃん、また生まれ変わっても姉妹に生まれようね。」

「ああ、約束だ。私たちは離れ離れになっても永遠の姉妹だ。」 

 こうして昨夜、1機のジャパロボが盗まれた。

「zzz・・・・・夢? 嫌な夢。」

 一人の少女が悪夢にうなされ涙を流しながら目を覚ます。

「お姉ちゃんの死は絶対に無駄にはしない。」

 反大日本帝国同盟ジャパカイダのリーダー、前田みなみは姉を殺した大日本帝国に復讐することを誓う。

「敦子、首尾はどうだ?」

 工場に移動したみなみ。

「おはようございます。みなみさん。」

 反大日本帝国同盟ジャパカイダの隊員の高橋敦子。

「昨夜のうちにジャパロボのデータ分析を終えて、世界中に無料で人型ロボットが作れるデータをバラまきました。」

「それでいい。我々の目的はお金ではない。ジャパロボのデータが世界中に広がればいい。そうすれば大日本帝国の植民地で奴隷と成り下がった世界の人々を解放することができるだろう。」

「さすが、みなみさん。」

「私たちは大日本帝国さえ倒せればいいのだからな。他には何も要らない。」

「カッコイイ! どこまでもついていきます! みなみ様!」

 テロ集団のリーダーみなみには団員を引き付けるカリスマ性があった。

「こらー! 私たちはアイドルを目指しているんじゃないんだからね!」

 不格好なジャパロボからスピーカーで声がする。

「まだ骨組みだけか。」

「仕方ありませんよ。データは手に入っても、本格的にジャパロボを製造するのはこれからですからね。」

「由紀! まゆ! 私も手伝うぞ!」

「みなみ様!?」

「やめて下さい!? 油が飛び散って顔が真っ黒になっちゃいますよ!?」

「気にするな。優子お姉ちゃんと一緒にジャパロボを作ろうと真っ黒になりながら工具をいじっていたものだ。何も知らなかった、あの日までは・・・・・・。」

 あの日、みなみに何があったのだろうか?

「東京都ジャパロボ開発機関から奪ったジャパロボで一番興味があるシステムは、ブレイン・ウェイブ・システムだ。人の感情、人の想いをジャパロボに伝える脳波システム。人の気持ちの強さが、ジャパロボの強さになるのだからな。」

 祐奈が第2回全国ジャパロボ大会で覚醒してから脳波の開発研究が行われている。しかし未だに完成はしていない。

「第5回全国ジャパロボ大会までに間に合わせるんだ。」

「おお!」

「もしダメなら、また都庁にジャパロボを奪いに行くか。」

 反大日本帝国同盟ジャパカイダも大変なのであった。

 つづく。

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