202010 ジャパロボ 20

渋谷かな

第1話 ジャパロボ20

「美味しい! 令和ちゃんの作るお味噌汁美味しいよ! これならどこにでもお嫁に行けるよ!」

 ある日の広瀬家の朝食の風景である。

「ありがとう。私、ロボットですから。アハッ!」

「誰かさんの殺人料理とは大違い。」

「zzz。」

「・・・・・・お母さんが寝たふりをしている。」

 掴みはOK。

「前代未聞の大ニュースです!」

 テレビからニュースが流れてくる。

「昨夜、東京都ジャパロボ開発機関、通称、都庁が何者かに襲われて、ジャパロボが1機、盗まれてしまいました!」

「なにー!?」

 寝ていた祐奈が目を覚まして立ち上がる。

「アチイー!? アチチッチ!?」

 そしてみそ汁で火傷した。

「なお、テロリストは反大日本帝国同盟ジャパカイダと名乗った模様です。」

「聞いたことがないな? 中東のテロ組織のアルカイダの日本版かな?」

「悪の秘密結社ショッカーみたいに、ジャパカーとかの方がカッコ良かったんじゃないかな?」

「何を呑気な!? 初めてジャパロボが外部組織に盗まれたんだぞ!? これは由々しき事態だ!?」

 祐奈は一人で焦りまくっている。

「今回の事件でどういうことが考えられますか? ジャパロボ専門家さん。」

「そうですね。ジャパロボの技術情報の流出の懸念がありますね。他国は日本産のジャパロボみたいに人型ロボット兵器の開発ができませんでした。しかし、既に朝が迎えるまでに、世界のブラックマーケットでジャパロボの開発ベースの情報は高額な金額で売買されてしまっているでしょう。今後、我が大日本帝国は世界各国が独自に開発してくるジャパロボと戦うことになるでしょうね。」

 衝撃のニュースが続いている。

「例えば、どんなジャパロボですか?」

「そうですね。アメリカならアメロボ。自由の女神とかを装備してくる可能性が高いですね。エジプトならスフィンクスやピラミッド装備のエジロボですかね。韓国ならBTSアイドルのカンロボとか作れますね。」

「それはコンサート用のジャパロボでしょう。」

 そのニュースを聞いたさとみは。

「さとみちゃんジャパロボも作ってくれるかな?」

「アホな想像はやめなさい。我が妹ながら恥ずかしい。」

「でもイリスちゃんジャパロボも販売されるかもしれませんよ。」

「痛車じゃなくて、痛ジャパロボね。」

 横で祐奈が秘書の麻衣に電話する。

「麻衣!? ジャパロボが盗まれたぞ!? どうして昨夜、私に連絡しないんだ!? 私が出撃すればテロリストなど簡単に退治したのに!?」

「はあ!? 電話しましたよ! 着信を見てください! 私からの着信が100件以上あるでしょうが! どうせ! 祐奈教官は寝ていて起きなかったんですよ!」

「あ、本当だ。アハッ!」

 スマホには大量の着信履歴があった。

 つづく。

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