「この文章と同じ、吹き出し一つ分の話を聞いてよ」

笹煮 色

「ここはタイトルだよ?」

「まず僕が言いたいのはさ、孤独な奴が自分を語るなって事なんだよね。

 だってさ、孤独な奴の話が面白い事ってあるかい?


 例えば孤独な奴が作ったって曲、あれは酷いもんだ。話を深堀してみれば結局孤独だったのは昔のオチだろ?

 そりゃそうさ、感動の涙ちょちょ切れ話にする為には『でも、この活動を始めて色々な人に助けられました』なんて文章が必要なんだ。

 そりゃあ良い曲を書く。でも、それは孤独から出来たものじゃない。


 あっ、この吹き出しをここまで読んで『そんな事は無い。現に私は~』って思ってる奴ら。


 お前らは現時点で孤独か? 世界に見放されてたり、周りの人とは何か違うと感じていたり、毎日の日常が灰色に見えてたりするか?

 それなら全くもって興味ないな。だってお前の話、つまらないだろ?


 いいや、つまらないに決まってる。だってお前の話を聞いた事のある奴は居ないだろ?

 評価された事の無いものは大体つまらないんだ。それで面白いものは大抵評価される。

 大体さ、日常が灰色ってなんだよ。毎日世界が薔薇色に見えてるやつがいるとしたら、そいつの頭には薔薇のお花畑が広がってるんだろうな。良い匂いしそう。


 っと、大分素が出てきちゃった。最初は結構ミステリアスな感じ出てただろ?

 でもこっちが素なんだ。悪いね。


 まず僕が言いたいのはさ、孤独な奴が自分を語るなって事なんだよね。


 へへへ『最初は~』なんて言ったら一行目を読み返しちゃうよな。

 んで、この上の文章を読んで『あれっ? なんか変な感じがする』って思ってくれたかい?

 えっ? 『読み返してない』って?

 ……”読み返しちゃうよな”ってのはパソコンで読んでる皆に言ったの!

 あっと、ごめんごめん。まだもうちょい付き合ってよ。


 ところで話はさっきの所に戻るんだけどさ、孤独な奴らってのは本当に自分語りが好きなんだよ。

 んで、孤独な奴が孤独な奴に絡んで『自分語り乙』なんて言うんだ。


 そこへ孤独じゃない、皆に愛されるやつがやってきて『隙自語』なんていう、超スーパー面白い略語を作ってくれた。

 そしたら孤独な奴らはどうしたと思う? 過度にその略語を使ってボロボロにした挙句、自分たちで『そのネタもう古いよ』とか言い出すんだ。


 ゾッとするだろ? この言葉に限らず、人の作ったものを自分で汚して他人に責任を押し付けて逃げてくんだ。

 まぁ、仕方ないよな。皆やってるもん。


 でも、そいつは皆の中に入ってないんだなぁ、これが。


 ん? どうしたんだ苦い顔して。まだまだ話したい事は色々あるんだが、体調が悪い奴に延々こんな話を聞かせるつもりもないよ。

 今日はしっかり温かくして寝るんだぞ?



 また、暇があったら話聞きに来てな」





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る