好きなもの、徒然
橘 紀里
物語を書くということ。
世の中には、それはそれはたくさんの、生涯かけても読み切れないほどの本が存在します。某古本屋さんの言葉を借りれば「世の中につまらない本などない」——ならばどうして書く必要があるのか、と言えば、自分がその物語を読みたいからだ、というこの一点に尽きる気がします。
今書いている物語はずっとずっと昔におぼろげに考えていたもので、主人公が両性を持っていること、魔力を持つ者が銃を使うとペナルティがある、銃を受け取った主人公が、事件に巻き込まれたあと、初めて救いの手を差し伸べられる、というその三点だけをベースに書き始めました。
気がつけば登場人物が増え、途中から登場した人物が予想外の過去を語り出し、主人公に絡み始め、もともとの運命の相手さえも凌駕しそうになって、書いている本人が一番戸惑ったりしています。
ふと驚いたのは、この物語はどこへ行くのだろうと考えて、自分が書かなければ、この先は読めないのだ、と気づいた時です。当たり前と言えば当たり前なのですが。
ただ、そう気づいた瞬間から、結末までたどり着くことを焦るばかりに、話の筋だけを詰め込んでいるような気がしてきました。
昨今の流行では、あまり情景や心情の描写は好まれないとはよく聞く話ですが、果たしてこれが私が読みたい物語なのだろうか、と。迷い始めると面白いもので、文章にそのまま表れてきます。なんとなく自分で読み直していても、石につまずくような、でこぼこ道を歩いているような感じがしてしまうのです。
それだけでなく、最近少し自分のテンションがおかしなことになっている——物語を書くことに
残念なことに、書くということは楽しいけれど、やるべきことや、やらなければならないこと、心を配らなければならない人もことも、たくさんあります。
なので、少し距離を置いてみることにしました。書くペースをゆっくりに、その代わりに今まで読んできた、自分が物語を書いている上で確実に糧になっているもの、それだけではなく、自分自身に大きな衝撃や影響を与えてくれた物語について振り返ってみようかな、と。
そんなことを少しずつ、書いてみようかなと思っております。
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