ディフェクト・ソード・サルベーション ~欠陥剣?士と立ち向かう運命
木崎 ユウ
欠陥剣?士と選ばれた運命
第1話プロローグ いつもの日常
「ん-」
目が覚めるといつも過ごしている景色が目に入る。
時刻は 6:00 いつも起きてる時間だ。
「はあ…… 目覚めの悪い夢を見ちゃったな。」
少年がふと目を落とすと一瞬自分の手が震えていた。すぐに思考を振り払うように首を振り、ベットから降りて眠っている体を覚醒させるように運動をし、朝食を食べながら魔報機をつけた。
"「本日、セルン王国の式典が開催されました。かの国は10年前の罪王による裏切りが起こり……」"
セルン王国は、前国王が国を裏切り国を売ったということで王族関係者が全員処刑されたという話で有名だ。
ちなみに魔報機とは、所謂ラジオだ。国内外の情報は基本これで確認する。
"「現国王の慈悲により追悼式が行われ、アルス前国王とアルセリア姫に向け黙祷する………」"
少年は魔報機を切り、身支度を始めて鏡を見ながら少し癖のある焦げ茶色の髪を整え、家を出た。
現在彼は一人暮らしだ。なぜ親元にいないかはいずれ。学園が始まるのは 8:30 少し余裕のある登校経路を歩いていると後ろから人の気配が近づいてきた。
「おはよっす!! 勇夜」
元気に挨拶してくる彼の名前は ヴィル・グラッド 銀髪を少し立たせ、水色の瞳をしている少年は、貴族の生まれだが気さくで彼の数少ない友人だ。
「あー、おはよ」
そして
「なんだ? いつもより疲れた顔してるけど、どうした?」
「いや……まあちょっとな。それに今日あの日だろ。」
「ん?あーそれでか。 今日なんかあったら俺に言えよ。友達なんだからな!」
そういってヴィルはニカッと笑う。話しているうちに目的地に着いた。
勇夜達が通う カルディーク剣騎学園だ。主に剣技や魔法を学び、実戦形式で育てていく方針の学園となっている。当然貴族もいれば平民も通っており、別の国からも多く入学希望者が出るほど有名だ。
門を抜けると人だかりが出来ている…いつもの光景だ。その中心にいる人物と目が合ってしまった。
「おーい勇夜」
一斉に周囲にいた全員がこちらを見た。
「おはようございます。如月さん」
ヴィルが近づいてくる彼に挨拶をした。
如月と呼ばれている彼は、如月
容姿端麗、頭脳明晰おまけに実家の如月流剣術の時期師範と言われているほど刀の扱いが上手い。
「おはよう、グラッド今日も勇夜と一緒に登校かやっぱり仲がいいな2人とも。」
「まあ友達っすから、それより勇夜に話っすか?」
「ああ、勇夜今日の放課後少し話せるか?」
靖耶がこちらを向き、話を振ってくる。恐らく今度行われるあれのことだろう。正直気の乗らないことではあるが、断ってもしょうがないことである。
「わかった兄さん、どこに行けばいい?」
普通に受け答えするが、話始めてからの周囲のざわめきが大きくなった。
内容は「なんであいつが…」とか「欠陥のくせに」等、いつものことだがやっぱり気分はよくない。
「お前たち、勇夜は....」
靖耶がその言葉に反応し、反論しようとするがそれに合わせ近づく人影があった。
「おはようございます如月会長、それにグラッドと欠陥」
言葉を遮って現れたのは、金髪金眼のトール・ケネデリス 学年は同じだが上位貴族、貴族の中でも上に位置するケネデリス家の長男だ。そして従者でいつものいる 黒よりの緑髪と緑の瞳の少年 ケイメン・オカダといつもフードを被り、口元以外殆ど見せない薄い桃色の髪がフードから見える少女 リース・ベネットが一緒にいる。
「ふん、上位貴族様はいつも取り巻きつれて立場の自慢でもしに来たのか?」
ヴィルがケネデリスに言葉を返す。
「どこかの貴族は、立場も弁えずに欠陥などと付き合って貴族のプライドが余程ないと見える」
「は!! ケネデリス様よりは家に誇りを持ってるぜ」
「私が、当主になっても貴らのような者とは付き合いたくないものだ」
ああ言えばこう言ういつの間にか2人の会話はヒートアップしていた。
「お前の立場は親が作り上げたもんで、それをただ敷いたレールでなるだけじゃねえか!」
「ふん、言わせておけば貴様も同じではないか!」
「俺は、強くなって自分自身の力で認められて当主になる」
「戯言を...」
2人の口論の中、終止符を打つ人物がいた。
「トール様、そろそろ用事をすまさんと時間が無くなるで」
ケイメン・オカダが止めに入っていた。
「そうだな。おい欠陥、今日の訓練私の相手をしてもらおうか!貴様の惨めさを私自らさらしてやる、この私の提案を断らないよなぁ?」
勇夜に向けてトールが提案(強制)をしてきた。
「わかってる。その提案を受けるよ」
断ったところで勇夜の結果は何一つ変わらないのだから。
「な?! 勇夜何言ってんだ」
ヴィルが反論してきた。
だが、勇夜は反応しない誰に言われても気にはしない。
"そう…俺は欠陥だから..."
「ならもう、貴様たちには用がないな。行くぞお前たち」
トールに続いて取り巻きも立ち去り、時間が迫っている為ポツポツと人だかりもなくなっていった。
「ヴィル、俺たちも行こう。そろそろ時間になるし」
「ああ...」
勇夜達もクラスに行こうとするが
「勇夜! 放課後会長室まで来てくれ」
靖耶が声をかけてくるが振り返らずに歩き、手だけ振って反応だけした。
「勇夜...お前は欠陥なんかじゃ...」
ポツリと呟いたあと自身の仕事の為に靖耶も移動した。
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