女の子たちの、ほのぼのした一日っ!
やっほー、みんな♪
わたしの名前は「大宮みい」、小学5年生で歌ったり踊ったりするのが好きな、ふつうの女の子!
これから友だちの「リリィ」ちゃんと一緒に遊ぶってことで、今はツルさんの銅像の前で待っているところなの。
今日のために、ひらひらの花柄のワンピースや、ちょっと大人びた感じの白いヒールサンダルで、めーいっぱいっ!オシャレに、かわいくしてきたんだー♪
買ったときにはちょっと恥ずかしかったけどね……
「みーちゃん、おはよ~」
「あっ、リリィちゃん!おはよー!」
「待たせちゃった?」
「ううんっ、いま来たばっかりだからだいじょうぶだよ!」
「よかったー……じゃ、さっそく行こっか!わたしがよく通うスイーツのお店があるんだ~」
「ほんとっ!?いくいく~!」
たのしい時間の始まりはじまり~!
わたしはリリィちゃんにつれられて、森の中にある、木で作られたお店の中に入っていく。
店の中は心がほっこりとするようなやさしい曲が流れていて、ウェイトレスさんは羽が左右に2枚ずつある、みどり色の制服を着ていて、妖精さんみたいでかわいくて、とってもいいふんいきのスイーツ屋さんだね♪
「ほんとーに妖精さんの森みたいだね~」
「いいところでしょー、ここは色んな国のおかしを安く楽しめるってことで有名なんだ!」
席についてからわたしがモンブラン、リリィちゃんがショートケーキとエクレアをたのんで、15分待ったら注文がとどいたよ!
「みーちゃん1個だけで足りるの?」
「さいきんダイエット中だからね、ちょっと我慢しないと」
「え~もったいないよ~……わたしの一口わけてあげる!」
リリィちゃんがフォークで少しとって、左手をそえながらわたしの口に近づけてくるよ……これってカンセツキスだよね……?
「ほらぁ、あ~ん!」
ふ、ふわあはぁ……じゃあ、お言葉に甘えて。
「あ~ん」
ぱくっと食べると、クリームのほんのりとした甘さが口のなかに広がってたまらなくおいしいですぅ……
「んぅ~ん……おいしぃ~」
「よかったぁ~、ねえ、みーちゃんのモンブランも一口ちょうだい?」
「うん、いいよ!」
一口あげると、リリィちゃんはとってもうれしそうな顔をして、両手でほっぺたをおさえたよ!
でね、もっと食べたくなっちゃったから、けっきょくモンブランとショートケーキを半分にして分けることにしたの!これなら量を気にしなくてだいじょうぶだね!
ってことで!たのしいおやつの時間がおわったあと、リリィちゃんのお家に遊びに行くことになりましたー!
リリィちゃんの部屋に入ると、ラブリーなピンク色の家具がいっぱいあって、動物のぬいぐるみだったり女の子の人形もあちこちに飾ってあってかわいい!
それに、リリィちゃんは女の子に超人気なアニメ!『ピアキュア』が大好きで、グッズやDVDをそろえてるんだ!
「すっごーい!これってまさか今までのやつぜんぶ……!?」
「うん、そうだよ!お母さんにおねだりしたら買ってくれたの!」
「うらやましいなぁ~……わたしなんてお金ぜんぜんないから、円盤買うなんて、あっ、いや……」
とっさに棚の中にあったケースからぬき出したら、それは20年ぐらい前に放送された初代ピアキュアだった!
「これって初代だよね……あのころは、まだマホウみたいのが少なくて、パンチしたり、キックばっかだった……」
なんか急になみだが出てきてきちゃった……
手で拭いても拭いても、止まらないよ……
「見る?」
「えっ?」
リリィちゃんはハンカチを渡しながら言った。
「全話はムリだと思うけど、夜になるまでならいいよ!お母さんもお父さんとお母さんはお仕事で遅くなるからだいじょうぶだと思う!」
「う、うん……!」
それから、わたしたちは初代ピアキュアを20話分をぶっとおしで見て、女の子たちのかっこよさや、かわいさに見惚れちゃったり、感動して泣いちゃうこともあった!やっぱりいま見ても初代はサイコーだね♪
でも、もう時間が来ちゃった。もっと見たかったけどなあ……
わたしは外に出て、リリィちゃんが見送ってくれる。
「リリィちゃん……また遊べるかな……?」
「うん、いつでもだいじょうぶだからね!じゃあ、あした学校で会おうね!」
「……ありがとうっ!じゃあね!」
ほんとうにたのしい一日をありがとうね、リリィちゃん……!
暗い夜道をひとりで歩いていき公園に着いた。
周りに誰もいないことを入念に確かめ、こっそりと男子トイレの中に入っていく。
「ここか……」
いちばん奥の個室を開けると大きなビニール袋が置いてあり、中には黒のスーツ、シャツ、肌着、ネクタイ、ベルト、靴下、トランクスパンツ、腕時計、メガネケースが入っていた。
腕時計をはめて時間を確認する。
もう10秒前!?まずい、早くしなくては!
すぐに身につけていた衣服をすべて脱ぎ、素っ裸の状態になる。
すると、身体中から白い煙がもくもく出てきて、次の瞬間ボカンと爆発し、自分は小太りの30代男性のおっさんに戻ってしまった。
情けない贅肉でつまんでため息が出る。
さっさと着替えを済ませて外に出たとき、一本の着信音が鳴りだしたの電話に出た。
「はい、〇〇です」
「本日は<幼女体験サービス>をご利用いただき誠にありがとうございました」
「あぁ、こちらこそ……最高でした……また是非ともよろしくお願いします」
「ありがとうございます!いつでもご利用をお待ちしております!では、失礼致します」
「はい、どうも」
通話が切れた。
「はあ……仕事もダイエットもがんばるか……!」
私は笑みを浮かべ、意気揚々に家へ向かった。
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