202010 ジャパロボ 19

渋谷かな

第1話 ジャパロボ19

「ギャアアアアアアー! ジャパロボが奪われたぞ!」

 事件は起こった。第5回全国ジャパロボ大会の予選と本戦の間に。

「なに!? 工場が襲われているだと!? 麻理子に迎撃に当たらせろ! ジャパロボを奪われる訳にはいかないのだぞ!?」

 直ぐに大江都知事にも報告があがる。

「おまえたちは何者だ!?」

 場所は東京都ジャパロボ開発機関。都庁所属のジャパロボパイロットの麻理子が自機の東京都ジャパロボ01改に乗って賊に対応する。

「我々は反大日本帝国同盟ジャパカイダのものだ。」

「反大日本帝国同盟!? ジャパカイダ!? そんな機関は初めて聞いたわよ!?」

「だって初めて名乗ったんだもの。アハッ!」

 恐るべし、反大日本帝国同盟ジャパカイダ。初任務が都庁の工場からジャパロボの強奪であった。

「ジャパロボを狙うなら、うちでなくて自衛隊を襲いなさいよ!?」

「だって向こうは警備が厳重なんだもの。」

 これが東京都ジャパロボ開発機関が襲撃された理由であった。

「要するに我が日本国に敗れた外国人の集まりでしょ?」

「外国人だけだと思うなよ! 見捨てられた日本人もいるのだよ! 日本人も!」

「なんですって!? どうして日本人がテロに加わるのよ!?」

「既得権益の無い者、甘い汁を吸えない者、コネの無い者、貧乏で相手にされない者、就職できない者たちが、今の大日本帝国を支持する訳がないだろうが!」

「な!?」

 大日本帝国の繁栄の恩恵がないものは反発感情を募らせていた。

「俺たちは、このジャパロボを外国に売って、国賓待遇で豊かに生きるんだ! お金に困らない生活をする! ご飯をお腹いっぱいに食べるんだ!」

 哀れな日本人たちだった。

「渡すぐらいなら、あなたたちを破壊します!」

 麻理子は単騎でも戦うつもりだ。

「やれるかな? 俺たち10機を相手にして!」

 強奪されたジャパロボは10体。

「斬撃モード起動。」

 麻理子のジャパロボの剣が赤く光りだす。

「ドカーン!」

 1機のジャパロボが大破した。

「な、なんだ!?」

 ドカーン! また1機ジャパロボが大破した。

「ビームか!? レーザーか!?」

 ドカーン! 3機目が破壊された。

「飛ぶ斬撃だと!?」

 麻理子のジャパロボが剣から斬撃を飛ばすのを目撃するテロリストたち。

「これが都庁の最新鋭ジャパロボの兵器。飛ぶ斬撃、秘剣! ユリカモメだ!」

 ユリカモメは東京都の鳥です。

「4機! 5機! 6機!」

 次々とユリカモメを飛ばして大破したジャパロボを倒していく。

「飛び道具とは卑怯な!?」

「おまえたちのテロ行為の方が卑怯だろうが! 飛ぶ斬撃だけだと思うなよ!」

 麻理子は敵に加速して突進していく。

「7機! 8機! 9機!」

 あっさりと接近戦で敵を斬り倒す。

「ムムッ!? 1機足りない!?」

「先に1機は逃がしたのさ。」

「なに!?」

「変大日本帝国同盟ジャパカイダに栄光あれ!」

 ドカーンとコクピットで爆弾で自爆してみせるテロ隊員。

「しまった!? ジャパロボを盗まれた!?」

 ジャパロボの強奪は成功してしまった。

 つづく。

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