第97話
現在如月春人は、己の従魔たちと共にダンジョンを攻略中である。春人に同行する予定だったアインスは、己の従魔となったハイエルフと共に、ワンランク下のダンジョン(並)で安全重視の資金稼ぎに精を出している。
ダンジョン(並)は、最高レベルが40のモンスターなので、レベル60となっているアインスにとっては、かなり余裕をもってクリアできる場所であるのだ。
春人が潜っているダンジョンは、ダンジョンコア(並+)がある場所だ。モンスターの最大LVは50までである。以前、ハイエルフを従魔にするために大勢で挑んだダンジョンと同じ難易度だ。
薫のレベリングのお陰で春人のレベルは55まで上昇している。マナコインも分けて貰い、全ての従魔たちも春人と同じレベルまで強化されている。レベル50を超えたことで大地図と大用心を習得し、3kmから10kmへと大幅に索敵範囲が強化されているので、一方的な攻撃を受けなくても良くなった。
キサラギ・ハルト(15)
【種族】 新人族
【LV】 55
【職業】 魔物使いランク6
【状態】 健康
・HP 6586400/6586400
・MP 6709149/6709149
・腕力 2686881
・頑丈 2686881
・器用 2561418
・俊敏 2561418
・賢力 2774935
・精神力 2774935
・運 2686881
【スキル】
・鞭術レベル6
・魔物調教レベル6
・手加減レベル6
・従魔召喚レベル6
・従魔強化レベル4
・従魔枠増加レベル2
・生気大上昇レベルMAX
・全能力大上昇レベルMAX
・鑑定レベルMAX
・空間収納レベルMAX
・全状態異常耐性レベルMAX
・大地図スキルレベルMAX
・大用心スキルレベルMAX
・清浄レベルMAX
・探索スキルレベルMAX
・罠解除スキルレベルMAX
・回復力中上昇レベルMAX
・千里眼スキルレベルMAX
【固有スキル】
・魔物魅了レベル6
・従魔の絆レベル4
・魔物合成レベル2
【称号】
・迷宮核討伐者 ・大物殺し
・初級到達者 ・一人前
【所有スキルポイント】 237109P
春人はダンジョン浅層で、自身の固有スキルである魔物合成を、弱いモンスターをテイムしては試していた。その結果、それなりの成果を得ていた。
先ず、レベル不足の為なのか、はたまた元から不可能なのか分からないが、異種族同士のモンスターは、現状では合成できない事が判明。さらに、レベル差が開き過ぎていても合成できない事が分かった。
次に、同レベル・同一種のモンスターを合成すると、+1となる。+1だと10%補正され1.1倍ステータスが強化されるが、+10になると190%の補正が付きステータスが約3倍になる。現在は最大+10まで強化できるが、魔物合成レベルが上昇するまでは、+10の先があるかどうかは確認できない。
現状だと、売買システムから購入できる従魔では購入数が限られている為に、最大まで強化することは無理だ。しかし、野良のモンスターならば、テイムに成功しさえすれば最大まで強化することも可能だ。それでも、☆☆☆の従魔のステータスに及ばない事を春人は知ることになった。
魔物使いの春人としては、自分の手で最強の従魔を造り出したいという思いが、芽生えていた。
これまでは温かい気候だったのだが、41階層に入ってからは、雪と氷の大地が続くようになった。
現在春人がいる階層は、44階層。凍てつく吹雪が容赦なく大地を凍り付かせ、視界不良の中、クレバスが点在している危険な場所である。しかし、地図スキルの扱いになれた春人にとっては、戦闘時に足を滑らせたりしなければ、問題ではない。
44階層を端から端まで探索した春人は、次の階層への転移陣を見つけられずにいた。
「おっかしーなぁ。こんだけ探したのに見落としたりするか?」
「春人様、今日はもうお休みになられませんか? 私だけでなく、他の者も寒さで疲れています」
「ヴァージニアの意見にエリィも賛成! 春人様、お腹が空いたよ~」
ハイエルフのヴァージニアとエルフのエリィが、春人に休憩をしようと促す。さらには、春人の従魔の中で最も頼りになる狼人のヒョードルまでもが、本日の探索打ち切りを提案してきた。従魔たちの言葉を素直に受け入れた春人は、その日の探索を諦めて魔道具内で休むことした。
翌日、考え方を変えた春人は、クレバスに落ちて内部を探索することにした。この階層は、地上部分がダミーかも知れないと思ったからだ。その様な思考に至った理由は、この階層が全50階層だと最初から知っていたことが大きく影響している。
落ちた場所は、意外にも明るかった。見上げると、落ちてきた裂け目は薄ぼんやりとしているが、足元の氷の中で色取り取りに発光する1cmくらいの小石により、視界は十分に保てるほど明るい。
しかしながら、驚くべきは天井から大きな木が生えている事だ。もちろん、足元の氷の大地の先にも木は生えているのだが、天井に生えている木の方が大きい。
春人はダンジョンだからありと結論付けると、スマホで記念撮影をした。これは、雫やカズたちへの冒険譚を聞かせる時に、重要な証拠となる映像なのだ。頼りになる従魔たちがいる事もあり、春人にはダンジョンを楽しむ余裕があるようだ。
撮影を終えた春人は、探索を開始した。今日は確実にこの階層を抜ける事を決意しながら。
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