幼女魔王様はグルメ好き!!!
仮実谷 望
幼女星魔王異世界二ホンに行くようです
退屈だ……。勇者はどこだ。私は孤独だった。
魔王であるこの私は今猛然と退屈している。
何を言おうこの世界は貧弱だ。だから強くしたい。
楽しい娯楽などほぼない。しかも飯がおいしくない。クソマズイから、お腹いっぱい食べたい。
調理法が確立されてない。私が料理をすることもあるが、それでもかなり美味くなるがそれでも美味しいとは程遠い。だけど美味しいことには変わりない。
しいて言えばましになったと言う程度。素材も劣化が早く、肉など冷凍技術が進歩していないので直ぐに乾く。魚も同然だ。でも旨い。
一応氷結魔法などで試したがそれでもこの世界の食材は痛みやすい。一流のシェフが作るレストランにお忍びで行ってみたことがあるが、あれは駄目だ。美味しくない。
料理の腕も駄目だし、素材もあまりよくない。普通過ぎて反吐が出る。
そんなクソみたいなお店しかないこの世界ガンダーレは。
なぜこんなことになってしまったと言うと、実はもうこの世界には人間は300人くらいしか生き残りはいないのだ。
昔大きな戦争があり、それで沢山の人間が死んだ。
それからうちとは違う別の魔王が人間を滅ぼしてしまった。
だが、魔族たちは人間を滅ぼした後も数が減り、人口は減少した。
よってこの世界には魔族が200人程度と人間は僅かしか残ってない。けどエルフ族は沢山存在する。
動物とかはかなりいるが美味い動物は殆どもういない。だが食べない魔物もいる。
残っている魔王は私と西の方にいる氷の魔星姫と呼ばれているイリスぐらいしか知り合いはいない。
私ももう戦いばかりの魔族の歴史を悔やんでいて、人間達と和平を結んだ。
イリスも残った魔王の一人として協定を結んでくれた。
と言っても魔王と呼ばれるのは私とイリスしかいない。
私の側近たちはもう里に帰らせ、今は爺やと二人暮らしだ。メイドのメイリュウ・ト・グランバーレは良いところのエルフのお嬢様だが家が貧乏でメイド修業に来ている。
魔族の父は第2次魔族大戦で病気にかかり、だから母親の看病は私がしている。
それで一人娘だった私は魔王を継いだわけだ。
ファルナ・ロードゼロとして魔王を継いだからにはこの世界を立て直さなければならない。
私はまだ人間でいうところの12、13歳ぐらいの年齢と言える。
だが魔族としては少し早いが結婚できる年齢と言える。
子供ももう産める体だし、私は跡継ぎをたくさん産まなければいけない。
それに酷く退屈である。
私は娯楽が無いので自分でカードゲームを作ったりした。
そして爺やと遊んだりした。
爺やの作る料理はそれほど美味くないが、だが優しい味だった。
そもそもだ、この世界は次元が低いと私は感じる。
私の次元はかなり高めに設定されているだろうが、それでもこの世界の次元が低めのようだ。
美味い物を食べたい。
不幸なニュースなど見たくない。
ある日、私生活のために大迷宮のホルトス階層二次真層を攻略していた。
隠しダンジョンのようである。
いつも通り魔法で雑魚を蹴散らして、最後のボスを倒す。
すると、星の音声が聞こえた。
『パンパカパーン!!! おめでとうございます~~~!! ファルナ・ロードゼロ様!! あなたは異世界ニホンへ繋がる扉(ゲート)の管理者になりました!! おめでとうございます!!』
「誰だ貴様は!?」
『私はこの世界の唯一神ってやつですかね。 まあいわゆる神様ですよ!』
「その神様が異世界に私を行かせてくれるのか??」
『呑み込みが早くて助かりますよ。さあそこのゲートを通って下さい。』
すると目の前に光り輝く扉のような物が現れた。
取っ手は無く、鏡のようにきらりと輝いているが、透明のようにクリアだ。
透き通っていて現実と幻の区別が付かない程度に幻想的だ。
私は意を決して扉を開いた。
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