ロケ地案内(2)

 『月夜の理科部』をお読みいただきありがとうございます。


 ここでは、本作で取り上げたいくつかの話題について、インターネットで行ける〈ロケ地〉をご紹介します。



 ―――― 第8夜「ライブハウスとレストラン」 ――――


【電気炉】 https://www.irie.co.jp/products/muffle-yf/

 作中では、焼き物を焼たりしてましたが、研究開発で使われているような本格的な電気炉です。リンク先のページにも『各種の金属試験研究及び焼入、焼鈍、その他一般実験、分析等の熱処理及び歯科用、工芸用と多用途に使用できる』と書いてあるので、工芸用に使うという設定も、あながち間違いではないはず……。


【ライブハウス】 http://www.moonromantic.com/

 南青山にあるライブハウス「月見ル君想フ」。目を引くのはステージ背景にあるおおきな満月。スモークや照明と相まって、なんとも幻想的です。ほんとズルいな、って感じです。嶌田はアコースティックのバンドのライブで2回ほど行ったことがあります。コロナの状況もあって、最近はなかなかライブハウスはオススメしにくいところがありますが、機会があればまた、行きたいですね。


 

 ―――― 第9夜「わらじとタイムマシン」 ――――


SINETサイネット】 https://www.sinet.ad.jp/

 日本全国にある大学や研究所をつなぐ専用通信ネットワーク「SINET」。東日本大震災のときにもダウンせず、稼働していたそうです。いまはバージョン5で、次がSINET-6だそうです。


【タイムマシン】

 二間瀬 敏史「タイムマシン論最先端物理学によるタイムトラベル入門」(秀和システム、2006)https://www.shuwasystem.co.jp/book/4798013528.html

 タイムマシン、ほしいですね。理論上は不可能ではないそうですが、どうやらタイムマシンが存在できるかどうかは、私たちの暮らしている宇宙がどのような時空構造になっているかに依存しているそうです。ダメならダメ、OKならOKな構造なんだろうと。ふーむ。



 ―――― 第10夜「織姫と彦星」 ――――


【ようかん】

 山崎清子「寒天観点調理に関する研究として」家政学雑誌 Vol.14, No. 5 (1963).

 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhej1951/14/5/14_5_339/_pdf

 ようかんって、割と簡単に作れて、かつ、理科実験としてもけっこう面白い対象だと思います。リンク先は、泡雪かんの均質化と、砂糖濃度や寒天の温度などの関係を調べた論文です。料理ってサイエンスですよね。


【月の模擬砂シミュラントと焼き物】 https://moonstation.jp/ja/future/moonexp/simulant.html

 月の岩石は地球と似た成分ですが、それが削られてできた月の砂は地球の砂と違う特徴があります。それは、砂の粒が地球のものに比べてとても小さいことだそうです。月面ローバーの走行試験などには地球の岩石から作った模擬砂が使われます。それで、岩の粉なら焼き物に使えそうだなぁと思って調べていたら、ほんとうに、月の模擬砂を使う陶芸家さんがいらっしゃるようです。(月焼・窯元 陶芸家 佐藤百合子さん http://www.sendai-astro.jp/square/blog/2008/09/15.html)

 欲しい!


 

 ―――― 第11夜「記憶と記録」 ――――


【チューリングテスト】 https://www.ai-gakkai.or.jp/whatsai/AItopics3.html

 コンピュータが人間のように振る舞っているときに、それが人間なのか計算機なのかを見極めるテストです。これにパスしたコンピュータには人間並みの知能があるとするそうです。知能の定義にもよると思いますが、なかなか奥が深そうです。


【量子通信】 https://www.nict.go.jp/press/2017/07/11-1.html

 地上の望遠鏡からレーザーを発射して、人工衛星との間で通信することができるそうです。しかも、量子通信といって、高セキュリティで高速・大容量な通信が期待されているとのこと。どうやって衛星を追尾してるんですかね?



―――― 第12夜「好きと嫌い」 ――――


【クロスワードパズル】 https://blogs.nvidia.co.jp/2016/06/08/deep-learning-crossword-puzzle/

 AI(機械学習)でクロスワードパズルを解くことができるそうです。リンク先のNVIDIA社のサイトには、クロスワードパズルを解くためのツールや、博士論文へのリンクが掲載されています。人間と比べて、どうなんですかね? 得意なのかな?



 ―――― 第13夜「魔法とほうき」 ――――


【川崎市八ヶ岳少年自然の家】 http://www.kawasaki-yatugatake.jp/index.html

 作中で登場した床暖房のある観測ドームは、リンク先の川崎市少年自然の家にある「アストロハウス」がモデルになっています。嶌田は実際に毛布を持って利用したことがあるのですが、ほんと快適でした。設置されている望遠鏡も、とっても見やすかったです。機会があれば、ぜひ。


【ペルセウス座流星群】 https://www.nao.ac.jp/astro/basic/perseid.html

 3大流星群のひとつで、お盆の頃に極大を迎える、夏の風物詩ですね。流星群は、彗星の尾に地球が突入することで生じる現象です。彗星はほうき星。なので、タイトルに「ほうき」とつけてみました。いやあ、マニアック過ぎましたね。

 放射点のあるペルセウス座は、あんまり目立つ星座ではありませんが、空高くに上がってくるので、寝転がって見るのがベストの流星群です。



 ―――― 第14夜「夢と現実」 ――――


【月の縦孔たてあな】 https://www.isas.jaxa.jp/topics/001156.html

 月の縦孔は、月内部の科学調査や、月面基地の建設候補地として注目されています。どうやら、穴の底には、横方向に地下空洞が広がっているそうです。誰も行ったことのない、月の地下洞窟って、それだけでワクワクしません? リンク先は、日本の月周回衛星「かぐや」のレーダで、そんな地下空洞の存在を確かめたという発表です。


【がん検査AI】https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2018/0721/index.html

 AIが得意とする問題設定の1つは、画像の識別や分類です。リンク先の国立がん研究センターの発表では、AIで胃がんを高精度に検出できるそうです。人間の医師に迫る精度で、かつ、AIなら疲れ知らずですからね。これはすごい。



―――― 第15夜「月とうさぎ」 ――――


調つき神社】 https://www.stib.jp/info/data/tsuki.html

 ウサギだらけの神社、埼玉県にほんとにあります。その名も「調つき神社」。作中に描いたように、狛犬ではなく狛兎で、手水舎にはウサギ石像もあります。「調つき」というのは、伊勢神宮に収める現物税である租・庸・調のうちの「調」のことで、大昔ここは貢物を収めた倉庫群の一角で、運搬に邪魔な鳥居がないことでも有名です。


【ナンジャモンジャゴケ】 https://www.kahaku.go.jp/event/2008/12nanjya_monjya/nanjya_monjya.html

 この風変わりな名前の苔は、日本人の研究者が発見した種類の苔で、発見当時は所属が不明だったので、こんな名前がつけられたそうです。苔は無臭のものもありますが、中には桜餅の匂いのする「クマリン」という成分を持つものもあるそうです。奥が深い!


【とんぼ玉】http://tonbodamastudiomasumi.web.fc2.com/masumis-scientific-tonbodama-lectures.html

 ガラス棒の溶かし方から、玉の模様の作り方まで、ほんとガラス細工って科学実験のようです。嶌田は結構こういうチマチマした作業、好きなんですよね。口をむっとしながら黙々と作業するのがすき。

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