202010 ジャパロボ 18

渋谷かな

第1話 ジャパロボ18

「おめでとう! イリス! さとみ!」

 自宅に帰った姉妹は母親の祐奈の祝福を受けた。

「ありがとう! お母さん!」

「私も、私も、全国大会に出るんだよ!」

「二人は私の自慢の娘だよ! 今日はお母さんが腕によりをかけてご飯を作るわよ!」

「zzz。」

「zzz。」

 イリスとさとみは急速に眠りについた。

「酷い!? 何も二人で眠らなくったっていいじゃない!?」

「だってお母さんの手料理は殺人料理なんだもの。」

「はい! 私は朝、お腹をくだしました! 下痢ですよ! ヒロインが下痢になるんですよ!」

「zzz。」

 祐奈も瞬時に眠りにつく。

「寝るなー!?」

「お約束です~! アハッ!」

「お祝いの料理は私が作りますから安心してください。」

「ありがとう。令和ちゃん。」

「本当に令和ちゃんがいて良かったわ。明治天皇は関西弁で文句ばかり言いながら料理していたから困ったものよ。」

「ワッハッハー!」

 故人ではなく故AIロボット明治天皇のご冥福を祈ります。

(イリス、さとみ。全国大会にはたくさん強敵が出てくるわ。私の娘ということでマークも厳しいでしょうし。頑張るのよ。私の娘たちよ。)

 祐奈は娘たちを心配する母心を持ち合わせていた。


「祐奈教官!? 祐奈教官!? 緊急通信です!?」

 東京予選の終盤。

「zzz。」

 祐奈は仕事をサボって眠っていた。

「仕事中に寝ないでください!?」

「ふわ~! よく寝た! おやつの時間かな?」

 司会役の自衛官が祐奈を起こす。

「どうしたの?」

「東京予選に正体不明のジャパロボが出場しています!?」

「なんですって!?」

 衝撃の報告を受けて祐奈の目が覚めた。

「直ぐに私のジャパロボを起動しろ! そんな危険なジャパロボを全国大会に出場させれるか! 私の娘たちを守るんだ!」

 祐奈は出撃しようとする。

「東京代表の5人が決まりました!」

「クソッ!? 遅かったか!? なぜ!? もっと早く報告しないんだ!?」

「しましたよ!? 祐奈教官が寝てたんでしょうが!?」

「アハッ! そうだっけ?」

 とぼけるしかできな祐奈であった。


「ところでお姉ちゃんはどこにいたの?」

 再び自宅の祝勝パーティ会場。

「私? 私は渋谷にいたよ。」

「嘘? 私見てないよ。」

「いたわよ。渋谷川に。」

「さすが私の娘ね。敵視マイナス300パーセントを引き継いでいるに違いない。」

「ワッハッハー!」

 こうして家族の笑顔溢れるパーティは過ぎていった。

「zzz。」

「zzz。」

「zzz。」

 祐奈、イリス、さとみは、はしゃぎつかれて幸せに眠っている。

「良かったですね。みなさん・・・・・・って、誰が片付けるのよ!? ハア~。」

 令和ちゃんは一人でお片づけをするのだった。

「私も家族が欲しいな。明日、ご先祖様のお墓にでも行ってみようかしら。」

 こうして全国ジャパロボ大会に続いていく。

 つづく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

202010 ジャパロボ 18 渋谷かな @yahoogle

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る