第7話

 街中は騒いでいた。ミチルは窓から街を見おろして、首を傾けた。


「大長老様、どうして街中騒いでいるの? 」


「どうやら、我が国によそ者が入り込んできたようですミチル様」


「よそ者・・・・・まさか」


 ミチルは悪い予感が脳裏をよぎり、ミチルは窓辺から離れようとした。


「ミチル様、何かのお察しではありましょうが、今しばらくベッドでお待ちください。わたし目が代わりに行きますゆえ」

 

 ★


 ミチルがベッドから顔を出して窓を覗くと下のほうに大長老の頭が見えた。そそくさと城の門から出ていく。


 大長老は騒ぐ街の人々の前に立った。


「皆の者、そう騒ぐではない。よその国からのお客様だろう」


 お客様の語はわざと強調された。大長老はその長い眉毛の間から凝らすようにアシュガとアスターを見た。すっと目を細めて言う。


「ようこそクリセンマムへ、どうぞこちらへ」

 

 アシュガは跪いて挨拶を交わすと、アスターとともに宮殿へ入っていった。


 アスターはその視線に気づき見上げた。気のせいかな、とアスターは思う。だがそれは紛れもなくミチルだった。

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