ヨリシロ

 その古い樹木は高だれも寄り付かないような森の奥深くにひっそりと佇んでいた。


 樹木の周りには雑草が生い茂り、堀が樹木を守るように掘られている。


 ここはどんな場所なのだろうか。


 クロエは恐る恐る樹木のほうへ近づく。


 風が樹木の枝をゆらしていることに気づくと、クロエは思わず上を見上げた。


 するとこぼれ日がクロエの目を閉じさせる。


 風が止む。


 目をあけるとそこには一人の少女がこっちを見ていた。


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