僕はあの頃よりも大きくなれたかな

 辰巳は悩んでいた。


 辰巳が気になっているクラスメートの美佐にたいして、どうしても素直になれなくて、いつもからかってばかりいるためにとうとう「あんた嫌い」という引導を渡されてしまったのだ。


 それ以来、どんなにいたずらしても完全無視。


 友達に相談すると、それは自業自得だというのだ。


 それはわかる。


 確かに自分が悪い。


 謝ればいいのに謝ることもできない。


 とにかく辰巳は不器用なのだ。

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