202010 ジャパロボ 13

渋谷かな

第1話 ジャパロボ13

「それでは全国ジャパロボ大会の東京予選を行います!」

 いよいよ始まる予選大会。

「大日本帝国が誇るレジェンド! 我らがアイドル! 眠り姫こと広瀬祐奈さんに開会の言葉を頂きます!」

「キャアアアアアアー!」

「祐奈様ー!」

「眠り姫!」

 予選会場に選手、お客から大歓声の黄色い声援が飛ぶ。

「相変わらずお母さんはすごい人気ね!?」

「それはそうでしょう。今の大日本帝国人が豊かに暮らせるのも祐奈さんのおかげなんですから。」

「それなのに今朝、私を殺しかけたのはなぜ!?」

「え!? そうなの!?」

 娘たちは自分たちの母親の国民的英雄扱いに感服する。

「それではどうぞ!」

「zzz。」

 祐奈が国民の前に現れる。

「ゲッ!? 寝てる!?」

「やっぱり私たちのお母さん!?」

 娘も驚愕する母親であった。

「・・・・・・もう食べれませんって・・・・・・え? 次はお寿司ですか・・・・・・すまんのう・・・・・・zzz。」

 まだ目覚めない祐奈は寝言を発する。

「・・・・・・。」

 静まり返る会場。まるで時が止まったようだった。

「ね、寝言!?」

「さすがお母さん!」

 まだ祐奈は目覚めない。

「・・・・・・えっと、頂きました! それでは予選大会を始めます!」

「おお! 絶対に予選を突破するぞ!」

 こうして東京都の予選大会が始まった。


「それでは予選大会の概要を説明します! 参加者が100万人と多いので、100万人で同時にサバイバルを行ってもらいます! 予選を突破して東京都代表になれるのは5人です! マップは東京都全域です!」

「100万人サバイバル!? どんだけ国民的なゲームなんだよ!?」

 ジャパロボは普及している。サービス開始時のゲームセンターの潰れそうなゲームではないのだ。今やeスポーツなんかを軽く超えた国民的イベントなのである。

「どこに陣取るかは、プレイヤーの自由です!」

「だって、やっぱり渋谷かな?」

「学校にしようか?」

「祐奈さんはスクランブル交差点の地下で眠っていて勝ち残ったことがあるそうですよ。」

「お母さんらしい。」

「アハッ!」

 勝ち方全てが伝説になっている祐奈。

「私は堂々と戦うわ!」

「お姉ちゃん!?」

「さとみとすずちゃんは地下で身を隠しておいて。令和ちゃん、二人を頼んだわよ。」

「イエス! イリス!」

 軍隊ポーズで忠誠を誓う令和ちゃん。

(私がさとみを守らなくっちゃ!)

 姉のイリスはさとみを守りきるつもりだった。

「必ず3人で予選を突破しようね!」

「おお!」

 こうして全国ジャパロボ大会の東京予選が始まった。

 つづく。

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