202010 ジャパロボ 12

渋谷かな

第1話 ジャパロボ12

「さとみ、遅刻するから先に行くわよ。」

「待って!? お姉ちゃん!? お腹が痛いの!?」

「何か変なモノを食べたんじゃないの?」

「お母さんの手料理。」

「zzz。」

「いきなり寝るなよ!? お姉ちゃん!?」

「ごめんごめん。」

 掴みはOK。

「先に行くわよ。」

 こうしてトイレにこもったさとみは、姉のイリスに置いていかれた。

「大丈夫? さとみ。お母さんのジャパロボの瞬間移動テレポーテーションで会場まで送ろうか?」

 日本帝国軍最強のパイロットの祐奈の最新鋭のジャパロボは瞬間移動機能が付いている。

「いいよ。まだ間に合うから自力で行くよ。それより、今度ジャパロボを改造する時はシートを開けたら便座をつけて。」

「ナイス・アイデア!」

「さとみちゃん!? 本当に遅刻しちゃうよ!?」

「うわあ!? 行ってきます!」

「がんばってね!」

 こうしてさとみはジャパロボに乗り込み予選会場を目指した。

「じゃあ、令和ちゃん。後は任せた。」

「もう、直ぐに眠って人任せにするんだから。」

 いつもジャパロボの運転はAIロボットの令和ちゃんに任せて、さとみは通勤中は眠っている。

「あ!? あれは!?」

 その時、さとみの目の前でひったくり事件が起こった。

「令和ちゃん! 犯人を追いかけて!」

「ええ!? でも、そんなことをしたら予選に遅刻しちゃうよ!?」

「構わない! 予選大会より目の前で困っている人を助ける方が優先だよ!」

 さとみの中の正義が勝る。

「分かったわ! よし! いくぞー!」

「イケイケ! 令和ちゃん!」

 ひったくり犯を追いかける令和ちゃん。

「捕まえた。」

 あっさりとひったくり犯を捕まえて、盗まれたカバンを被害者に返すさとみ。

「良いことするって、気持ちいいね。アハッ!」

「そうですね。優勝はイリスさんにお願いしましょう。」

 清々しいさとみと令和ちゃん。

「諦めるのは、まだ早いぞ!」

「シルちゃん!?」

 その時、風の精霊シルフィードが目覚める。

「シルフィード・ワープ!」

 さとみのジャパロボは風になって忽然と消えた。


「さとみちゃん遅いですね。もう予選が始まっちゃう。」

「恐るべし!? お母さんの手料理!?」

 全国ジャパロボ大会の予選が始まろうとしていた。

「どいて!? どいて!? うわあ~!」

 その時、空からさとみのジャパロボが降ってくる。

「さとみ!?」

「危ない!?」

 ドカーンとさとみのジャパロボが降ってきた。

「間に合った・・・・・・イタタタタタタッ。」

「お目めがグルグル。」

 こうしてさとみは予選会に間に合った。

 つづく。

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